「そのやり方は間違っている」
トップに直言する「悪魔の代弁者」
なぜ、あなたの会社のトップは、驚くべきほど組織の危機に気がつかないのか?
自分の信念を裏付ける事実にばかり目がいくトップの「追認バイアス」
そのトップの意向にそうことが自分の昇進になると考える「組織バイアス」
それが、東芝やシャープのような大破局を招くのだ。
そうした組織の間違いを正すために、アメリカの軍で生まれた概念。
トップの判断は誤っている。
そこから「レッドチーム」は考える。
アメリカの諜報機関と軍で生まれた、究極の組織運営術がここに!
【目次】
■はじめに 組織には「悪魔の代弁者」が必要だ
かつてローマカトリック教会は、場当たり的に乱発されていた聖人認定を厳格化するため、
「悪魔の代弁者」という役職を設けた。その役目は、候補者が成したとされる
徳や奇跡に疑いを投げかけ、徹底的な反対意見を述べることだった。
現代の組織において最も必要なのは、この「悪魔の代弁者」の存在である。
■第1章 組織の硬直化を打ち破る六つのルール
この15年、米軍では「悪魔の代弁者」の役割を担う「レッドチーム」が急速に体系化され、
その手法は欧米の企業にも次々と広まってきた。今回、私はCIA長官からスーパーハッカー、
企業幹部まで、200人以上のレッドチーム実践者に取材を行った。
彼らはいかにして組織の盲点を炙り出しているのか?
■第2章 軍がレッドチームを制度化した
米陸軍が設立した外国軍事文化研究大学(UFMCS)は、
レッドチーム的な思考を軍人に教えるために作られた「レッドチーム大学」だ。
大学は批判的思考応用について書かれた「レッドチームハンドブック」を一般に公開している。
イスラエル、英国、NATOでも「レッドチーム」を組織の中に制度化する。
■第3章 前提条件を逆転させる
ウィキリークスによって公開された、CIAのレッドチームによる極秘の報告書のタイトルは、
「もし外国人がアメリカを『テロリズムの輸出元』と見ていたら?」だった。
このように、これまでとは全く違う角度から現状を捉え直すことで、
CIAは自身のテロ対策に思わぬ穴がないかを、適切に検証できるのだ。
■第4章 もし自分がテロリストだったらどう考えるか?
レッドチームのテクニックのひとつに、欠陥テストがある。これは、仮想敵になりきって
自身の組織を攻撃することで、戦略や運営のどこに弱点があるのかを見つけ出す手法のことだ。
アメリカはこれを使って、国内440か所の全ての空港で、
テロリストの攻撃を事前に予想した危機対応計画を練り上げている。
■第5章 会社の中にレッドチームを持つ
トップが下からの率直な意見を求めて、ホットラインやご意見箱を設けてもほとんど役には立たない。
また、社員は上司との衝突を回避しようとするため、やがて沈黙が一番安全で、ストレスが少なく、
理にかなった行動だと考えるようになってしまう。
こうした組織の問題を打破するためには、どうすればいいのか?
■第6章 レッドチームの誤った使い方
レッドチームの手法やテクニックを身につけるためには、適切な訓練や指導が必要だ。
だが、それを知らずに、ランダムに「悪魔の代弁者」を選んだり、
素人によるレッドチームを実行したりすると、むしろ組織に悪影響を与えてしまうことも少なくない。
レッドチームを生かすも殺すも、リーダー次第なのだ。
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