電子書籍

量子物理学の発見

ヒッグス粒子の先までの物語

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2016年09月30日
ジャンルノンフィクション

ノーベル賞物理学者がわかりやすく書いた贅沢な一冊

ギリシャ以来、物質の最小の構成単位への人類の探求は、
原子核とそれをまわる電子というモデルまでいきつく。
しかし、1912年のある日、
物理学者のニールス・ボーアは気がつく。
なぜ、電子は原子核に墜落しないのか?
まったく新しい物理学が誕生した瞬間だった。
人類の極小を探る旅は、加速器というものさしを得て進歩する。
それは宇宙の始まりを解き明かす旅になった。
アメリカのフェルミ研究所で加速器を使い、
極小の世界を追い求めたノーベル賞物理学者が、
この新しい物理学の誕生から現在そして未来を綴る

第一章 宇宙の始まりを探る旅
2012年に世界の新聞の一面を飾った「ヒッグス粒子」の発見。本書では、その発見にいたるまでの人類の歴史を、ノーベル賞量子物理学者が綴る。それは、この世界の極小の構成単位を探る旅でもあり、同時に宇宙の始まりを探る旅でもあった。

第二章 その時、ニュートン物理学は崩れた
ギリシャ以来、物質の最小の構成単位への人類の探求は、原子核とそれをまわる電子というモデルまでいきつく。しかし、1912年のある日、物理学者のニールス・ボーアは気がつく。なぜ、電子は原子核に墜落しないのか? 全く新しい物理学の誕生。

第三章 世界は右巻きか左巻きか
水の分子を鏡に写しても左右対称で変わらない。しかし、変わってしまう分子もある。例えば、われわれの世界の食べ物は右旋体の糖でできている。さてでは物理法則はどうだろうか? その対称性が破れていることを発見したのがこの本の著者だった。

第四章 相対性理論の 合法的な抜け道
エネルギーは光速の自乗にそのものの質量をかけたものに等しい。E=mc²。アインシュタインは、物質の質量はエネルギーに転換できることを示した。しかし、光に質量はないはずだ。とすれば、光はエネルギーに転換できないのか?

第五章 初めに質量あれ
宇宙が始まった時、すべてのものは無であり、質量はなかった。完全な対称性がなりたつ世界だった。その対称性が崩れ去る引き金をひいたものがいる。それが「ヒッグス粒子」だ。「ヒッグス粒子」が質量を生み出し、宇宙を生み出すことになった。

第六章 何もないところになぜ何かが生まれたのか?
ではどのようにして何もないところからヒッグス粒子が生まれ質量が生まれるのか?
10の マイナス25乗の非常に短い時間では不変と思われたエネルギー保存則がなりたたない瞬間がある。その「量子ゆらぎ」とよばれる時間のことから説明しよう。

第七章 星が生まれた痕跡
宇宙誕生時にできた原子星の内部で、炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、鉄などの重い元素がつくられる。しかし、これらの元素があまねく宇宙に行き渡るためには、崩壊による解放が必要だ。その痕跡がいまもふりそそぐ「ニュートリノ」という粒子だ。


第八章 加速器は語る
著者らのフェルミ研究所は、標準理論のその先を探索する新加速器「プロジェクトX」を進めている。それは高エネルギー追求から転換してコストは抑え、膨大な数の粒子を観測して珍しい現象を探す新たなアプローチだ。

第九章 ヒッグス粒子を超えて
量子物理学はまだ道半ばだ。ヒッグス粒子は物質に質量を与えるが、それ自身の質量がどこから来るかはわかっていない。宇宙のほとんどを占める暗黒物質も検出できていない。未知の物理現象を求める実験は続く。

目次

第一章 宇宙の始まりを探る旅
2012年に世界の新聞の一面を飾った「ヒッグス粒子」の発見。本書では、その発見にいたるまでの人類の歴史を、ノーベル賞量子物理学者が綴る。それは、この世界の極小の構成単位を探る旅でもあり、同時に宇宙の始まりを探る旅でもあった。

第二章 その時、ニュートン物理学は崩れた
ギリシャ以来、物質の最小の構成単位への人類の探求は、原子核とそれをまわる電子というモデルまでいきつく。しかし、1912年のある日、物理学者のニールス・ボーアは気がつく。なぜ、電子は原子核に墜落しないのか? 全く新しい物理学の誕生。

第三章 世界は右巻きか左巻きか
水の分子を鏡に写しても左右対称で変わらない。しかし、変わってしまう分子もある。例えば、われわれの世界の食べ物は右旋体の糖でできている。さてでは物理法則はどうだろうか? その対称性が破れていることを発見したのがこの本の著者だった。

第四章 相対性理論の 合法的な抜け道
エネルギーは光速の自乗にそのものの質量をかけたものに等しい。E=mc²。アインシュタインは、物質の質量はエネルギーに転換できることを示した。しかし、光に質量はないはずだ。とすれば、光はエネルギーに転換できないのか?

第五章 初めに質量あれ
宇宙が始まった時、すべてのものは無であり、質量はなかった。完全な対称性がなりたつ世界だった。その対称性が崩れ去る引き金をひいたものがいる。それが「ヒッグス粒子」だ。「ヒッグス粒子」が質量を生み出し、宇宙を生み出すことになった。

第六章 何もないところになぜ何かが生まれたのか?
ではどのようにして何もないところからヒッグス粒子が生まれ質量が生まれるのか?
10の マイナス25乗の非常に短い時間では不変と思われたエネルギー保存則がなりたたない瞬間がある。その「量子ゆらぎ」とよばれる時間のことから説明しよう。

第七章 星が生まれた痕跡
宇宙誕生時にできた原子星の内部で、炭素、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、鉄などの重い元素がつくられる。しかし、これらの元素があまねく宇宙に行き渡るためには、崩壊による解放が必要だ。その痕跡がいまもふりそそぐ「ニュートリノ」という粒子だ。


第八章 加速器は語る
著者らのフェルミ研究所は、標準理論のその先を探索する新加速器「プロジェクトX」を進めている。それは高エネルギー追求から転換してコストは抑え、膨大な数の粒子を観測して珍しい現象を探す新たなアプローチだ。

第九章 ヒッグス粒子を超えて
量子物理学はまだ道半ばだ。ヒッグス粒子は物質に質量を与えるが、それ自身の質量がどこから来るかはわかっていない。宇宙のほとんどを占める暗黒物質も検出できていない。未知の物理現象を求める実験は続く。

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担当編集者より

今まで一般向けの物理学の本は、ほとんどが理論家によって書かれてきました。しかし本書は、フェルミ国立加速器研究所の二代目所長としてアメリカの素粒子物理学界を牽引してきた実験家でノーベル物理学賞受賞の学者によって書かれたユニークな本です。
我々の想像を超えた世界を探る、壮大な試みが今現在も続いている。そんなことを教えてくれる一冊です。

著者

レオン・レーダーマン

クリストファー・ヒル

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