東京オリンピックに向けて、大迫傑は日誌を付け始めた。
1月にケニアに行き、当初はオリンピック直前まで標高2400mのイテンで合宿をする予定だった。
それが、ケニアのロックダウンにより、アメリカに帰国を余儀なくされる。
東京オリンピックまでの5カ月間、ノートには揺れる思いが綴られた。
ケニアに行ったのは、様々なノイズから逃れるためだったのに、それがうまくいかない、SNSのストレス、競技以外の悩み……、日誌にはそれらの感情が赤裸々に書き留められている。
本書は、その日誌そのものである。
この日誌がなぜ読み始めたら止まらないほど面白いのか――。作者が陸上選手だからか? オリンピアンだからか? いや、大迫傑だからだ。
この本を読み進めるうちに、大迫傑というカリスマを身近に感じられる一方、尊敬の念は高まる。
稀代のアスリートが一世一代の戦いの前に残した記録として、後世に語り継がれる書になることも間違いない。
8月8日の「決戦」の前に必読の書。
でも、誰にでも「決戦」は訪れるはず。いつ読んでも、自分を勇気づけてくれる1冊である。
※単行本版には、別冊の「ランニングノート」が同梱されますが、電子書籍版は「ランニングノート」の記入用ページをPDFでダウンロードしていただくかたちになります。
【目次】
プロローグ
僕が日誌をつける理由。
両角速先生よりメッセージ
佐久長聖高校3年生の時の日誌
日誌 イテン 2021/2/9~3/8
僕がケニアに来た理由。
SNSとの付き合い方。
失敗や負けたレースから学ぶこと。
次世代へと受け継いでいくもの。
日誌 イテン 2021/3/9~3/31
日誌 ポートランド 2021/4/1~4/19
僕にとってポートランドとは。
低酸素トレーニングについて。
日誌 フラッグスタッフ 2021/4/20~5/18
娘から学んだこと。
日誌 ポートランド&フラッグスタッフ 2021/5/19~6/8
ウエイトトレーニングについて。
揺れながら前に進む。
僕にとっての東京オリンピック。
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