「はっぴいえんど」から「King Gnu」「Ado」まで、この50年の邦楽ロック史を彩ったアーティスト全30組を語りつくす。
芥川賞作家の高橋弘希さんが、小説家デビューの直前まで、ロックバンドに所属して作詞・作曲を行っていたことは、ファンには知られた事実です。じっさい本書でも、自分のバンドで様々なライブハウスの舞台に立った際の、殆どは悲惨な思い出が披露されます。そんな1979年生まれの高橋さんをかたちづくって来た、邦楽ロックの雄30組を取り上げた、音楽エッセイ集が本書です。LUNA SEAやTMNなど、高橋少年をバンド活動に駆り立てたアーテイスト、大宮や下北沢のステージで高橋さんとすれ違っていたに違いない、今や大御所のあるいは今は消息不明のバンド、今やブンゴウとなった高橋さんを刺激する新世代のAdoやKing Gnuなどなど、熱い思い入れをもった対象に、時にバンドマンらしい鋭い分析で、時に小説家らしい諧謔に満ちた文章で迫ります。かつて邦楽ロックを愛したすべての人々、バンドマンを目指したすべての人々に送ります。
青森県十和田市生まれ。二〇一四年、第四六回新潮新人賞を受賞してデビュー。一七年、『日曜日の人々(サンデー・ピープル)』で第三九回野間文芸新人賞、一八年「送り火」で第一五九回芥川賞を受賞。他の著書に『朝顔の日』『スイミングスクール』『高橋弘希の徒然日記』『音楽が鳴りやんだら』『叩く』などがある。
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