●なぜ〝ジャニーズ〟はそれでも売れ続けるのか?
●なぜ、騒動後もファンは減らなかったのか?
●他のアイドルにはなく彼らだけが持っているものは?
●これからの〝ジャニーズ〟には何が残るのか?
●〝追加メンバー〟が存在しなかった深い理由とは?
木村拓哉、KinKi Kids、嵐、Snow Man……彼ら自身の言葉から、
半世紀にわたって事務所アーティストたちを貫く哲学に迫る。
ジャニーズJr.のオーディションを受けた経験があるほど熱狂的な〝ジャニオタ〟である著者が、ファンだからこそ感じてきた希望、絶望、葛藤、羨望、感謝……溢れ出る想いのすべてを全身全霊をかけて詰め込んだ、前代未聞、そして最後の〝ジャニーズ〟論。
■著者コメント
僕はオーディションの日以降、ずっと地雷から逃げ続けてきたのかもしれない。逆に言えば、好きだからこそ、どこに地雷が埋まっているかも見えていたのだろう。
地雷は爆発した。BBCと週刊文春が最初に踏んで、多くのメディアが爆発後の地雷を踏みに行った。爆発したことで初めて見えたものもあった。
それでも、ジャニーズに生かされた感謝は消えなかった。この本を書くことは、爆発による自分の傷を見せた後に、爆発した破片の中から、それでも光り輝くものを拾って、かき集めて、手にとって見せるような作業だったのかもしれない。(「エピローグ」より)
プロローグ
第1部
1 「ジャニーズJr.研修生」になった日
〝その人〟との出会い
ある少年が告げた覚悟
人生をかけた夢の行方
2 ジャニーズを好きでいること
初めて買った本がジャニーズの告発本だった
SMAPやKinKi Kidsのようになりたい
『裸の少年』で世界が反転して見えた
誰もが最初の夢を叶えるわけじゃない
人生に入り込んでいる〝ジャニーズ〟
3 「少年であることは素晴らしい」という世界に浸って
ジャニーズというアート
「少年であることは素晴らしい」
タレントも少年の心を持ち続ける
少年隊とKinKi Kids――完成しない少年たち
憧れた世界の根源にあったもの
4 僕たちは悲しい目をした彼らを愛してきた
ジャニオタ男子は「気持ち悪い」
ファンが沈黙してきた理由
目に宿している〝悲しさ〟の魅力
彼らが見せる部分、見せない部分
聞く正義、聞かない正義
「芸能界はそういうところ」
カラフルな夢が色褪せた瞬間
5 ジャニーズという家族の終わりを目にして
事実認定を受け入れるまでのファン心理
夢の世界は誰かを害した上に成り立っていた
「ピックアップされればスター」ではない
「ただ好きな人を応援したいだけなのに」
ジャニーズという〝家族〟への差別
ファンにとってのひとつの真実
タレントたちの言葉を信じたい
東山紀之と堂本光一の割り切れない思い
異常者と天才の線引き
社会を救いたいがゆえの告白
コラム①ジャニーズ事務所はなぜ特別だったのか
ジャニーズ事務所という〝巨大な異端児〟
解散のない奇跡の20年間
最大のライバルは4人組時代のDA PUMP
スキルよりもストーリーで差別化する時代
なぜジャニーズには〝追加メンバー〟がいないのか
コラム②ジャニーズは推すものではなく〝担当〟するもの
〝会いに行けるアイドル〟の功罪
実は先を行っていたネット戦略
3つの炎上に見る「降りてくるな」の感覚
〝ジャニオタ〟であって〝ファンダム〟ではない
〝担当〟であって〝推し〟ではない
「なぜファンを辞めないのか?」という問いへの答え
第2部
1 自己プロデュースするタレントたち
〝芸能界で成功する〟ことと〝芸事を追究する〟こと
ジャニーズアーティストの本質
実はあったエージェント制の成功例
「マネージャーなしでやれる人間ばっかりだ」
自分の見せ方は自分で考える
河合郁人「他人と違うことをする」の実践
タレント自ら企画書を書く文化
「自分次第」であることの希望とリスク
2 芸能界と芸事の間で揺れた半世紀
少年隊という最高傑作
出発点からミュージカル重視
「キャーキャー言われてどうするの?」
堂本光一が〝ファンサ〟をしない理由
流行を追いかけずに流行を創る
〝流行りすぎてしまった〟光GENJI
芸能界と芸事の間で引き裂かれる宿命
3 ジャニーズ・スター――木村拓哉とKinKi Kids
「キムタク」という商品であることへの葛藤
キャスティングにも進言するプロデューサー気質
SMAP解散後の〝原点回帰〟
エージェント契約1番手だった納得の理由
KinKi Kidsは「2人ともプロデューサー」
それぞれの芸事に邁進し始めた2000年代
芸能界と芸事が最高地点で交わった奇跡
3つが揃った真の〝ジャニーズ・スター〟
4 藤島ジュリー景子が継ごうとしていたもの
異彩を放っていたJ Storm Movie
〝ジャニーズ興行保証〟が発掘した才能
国民的スター・嵐の誕生前夜
ジャニーズ事務所が手放した才能
5 新しい時代の指導者―― 井ノ原快彦
現役の頃から「井ノ原がジュニアの窓口」だった
「顔じゃない」井ノ原が社長に選ばれた理由
教育機関になった井ノ原体制下のジュニア
吉田松陰との大いなる共通点
6 「変えるもの」と「変えないもの」
激動の年の始まりのメッセージ
伝統を〝引き継ぐ〟と〝革新する〟 の両立
SixTONES・Snow Manが受け継ぐもの
岩本照版『少年たち』が見せた深化
7 これからの〝ジャニーズ〟
独立・分離の背景にあった〝肥大化〟の悲劇
デジタルシフトと〝自前で作る〟動き
ジャニーズをプラットフォームにする
〝家族〟は本当に終わるのか
消せない血への向き合い方
堂本光一が願う「世界一クリーンな会社」
新しい世界に受け継がれるもの
エピローグ
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