●なぜ診療所の院長の方が、激務の勤務医よりも平均収入が高いのか
●なぜ日本では、海外よりも診療所や病院に行く頻度が高いのか
●なぜ日本では、薬の長期処方やリフィル処方が普及しないのか
●なぜ厚労省は開業医の利益団体である医師会に弱いのか
●なぜ医師会は自民党に強い影響力を持ち得るのか
取材を始めると、診療報酬という「医療の値段」が合理的な理由だけでなく、医療団体の強い要望や政治家の厚生労働省への口利きなど、政治的な要素を含んで決まるものがあることが、次第に分かってきた。それは医療費のムダにつながっている可能性があった。そのほかにもいろいろな疑問が浮かんできた――。(「はじめに」より)
日本の年間医療費は約48兆円。保険料負担の上昇で勤労者の手取りは増えないのに、開業医の平均年収は2653万円、診療所の内部留保は1億2400万円に上ります。東京新聞編集委員の著者は、コロナ禍で開業医の診療拒否が相次いだことに不信感を抱き、取材を開始。医師会が「票とカネ」を武器に政治家を動かし、診療報酬という「医療の値段」の決定に大きな影響力を及ぼしている実態を明らかにしていきます。圧巻の調査報道ノンフィクションです。
第1章 診療報酬改定で便乗値上げ
第2章 既得権を守る圧力団体
第3章 コロナ禍と診療所の高収益体質
第4章 診療所の収益か、勤労者の手取りか
第5章 医師会に肩入れする厚労省
第6章 麻生派への5000万円
第7章 岸田首相とふたつの医連の蜜月
第8章「かかりつけ医」制度化の攻防
第9章 医師偏在はなぜ解消されないのか
最終章 医師を選ぶことから始めよう
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