電子書籍

臆病者のための裁判入門

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2013年01月18日

日本の使えない司法制度を暴露する

作品紹介

著者はひょんなことから知人の外国人男性の保険金受け取りをめぐるトラブルの解決を手助けすることになりました。非は完全に保険会社にあることがわかり、すぐに解決するかに見えましたが、事態は思わぬ方向に進展し、ついに「少額訴訟制度」を利用して、裁判に訴えることに。「少額訴訟制度」とは、請求額が60万円以下なら、簡易裁判所で審理から判決までを原則1日で行ってくれる制度です。市民が身近な紛争を裁判で安価で簡便に解決できるように1998年に作られました。日本を「法の支配」が行き届いた「法化社会」にしよう、という思いが、この「少額訴訟制度」には込められています。
しかし、著者と知人の外国人男性は、摩訶不思議なニッポンの裁判制度の闇に迷い込んでしまいます。どこに行っても、悪い人には会わず、善意の人ばかりなのに、簡易裁判所と地方裁判所をたらいまわしにされ、少額の保険金と賠償が得たいだけなのに、多大な時間と労力を費やすことになってしまいました。一日で終わるはずが、決着を見るまでに何と二年半の歳月が流れていました。
その体験を元に日本のニッポンの「使えない」司法制度の問題点を解明したのがこの新書です。問題の一端は、「少額訴訟制度」で扱える紛争の種類が家賃未納や交通事故の損害賠償など定型的なものに限られていること。著者が関わったようなちょっとこみいった訴訟になると簡易裁判所では扱ってくれないのです。
公正中立な「法化社会」を建設する過渡期にあるニッポンで、素人が少しでもややこしい訴訟を始めるとどんな目に遭うのか?
その一部始終がわかる貴重なルポであり、身近にはなったけれど、まだまだ使い勝手が悪いニッポンの裁判を使いこなすための画期的な入門書でもあります。
面白くてためになる一冊です。

担当編集者より

本書の出発点は、著者の橘玲さんの世にも不思議な体験でした。60万円以下の請求額なら弁護士を雇わずとも簡易裁判所で1日で決着をつけてくれる「少額訴訟制度」を利用して、あるトラブルを解決しようとしたら、決着を見たのは何と2年半後。国民が安価で迅速な裁判を利用できるように作られた制度なのに、なぜこんなことに? 体験を元に日本の「使えない」司法制度の闇を暴いた、面白くてためになる1冊です。(HB)

感想を送る

本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。

※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。

メディア関係者・図書館の皆様

表紙画像のダウンロード

ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。

雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。

ネット書店で購入
電子書籍

臆病者のための裁判入門

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2013年01月18日
ネット書店で購入

Rankingランキング

全て見る

Eventイベント

最新イベント

一覧を見る
スタニング沢村×山田玲司「この時代に心を守りながら愉快に創造し続ける方法」
スタニング沢村×山田玲司「この時代に心を守りながら愉快に創造し続ける方法」
【イモトアヤコさん】新刊発売記念! 『よかん日和』サイン本お渡し会+トークイベントwith「文學界」編集長・浅井茉莉子
【イモトアヤコさん】新刊発売記念! 『よかん日和』サイン本お渡し会+トークイベントwith「文學界」編集長・浅井茉莉子
児島気奈さん『笑って稼ぐ仕事術』発売記念トークイベント開催のお知らせ
児島気奈さん『笑って稼ぐ仕事術』発売記念トークイベント開催のお知らせ
米国を代表する作家、スティーヴン・キングの特設サイト 文春文庫は50年を迎えました! 特設サイト 阿部智里「八咫烏シリーズ」特設サイト 佐伯泰英特設サイト 菊池真理子『「神様」のいる家で育ちました ~宗教2世な私たち~』特設サイト 文春文庫 秋100ベストセレクション