電子書籍

不平等との闘い

ルソーからピケティまで

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2016年05月27日
ジャンルノンフィクション

不平等は悪なのか? 二六〇年の経済学史を追う

「ピケティが示した不平等の歴史的な展開を、さらに歴史的に俯瞰する。格差論の
未来のために!」――『21世紀の資本』共訳者・山形浩生氏 推薦

フランスの経済学者トマ・ピケティによる大著『21世紀の資本』が公刊されたのは2013年。その後、ノーベル経済学受賞者のスティグリッツやクルーグマンらの推薦もあって英訳から火がつき、瞬く間に世界的にベストセラーになりました。
しかし、どうしてそのような大ブームになったのでしょうか?
実は、すでに下地はできていたのです。高度成長を終えた先進国のなかでは、ピケティしかり、日本の「格差社会」「大衆的貧困」ブームしかり、明らかに「不平等ルネサンス」とでもいうべき学問的潮流が起きていたのでした。
それではいったいいつ、経済学者たちの「不平等との闘い」は始まったのでしょうか? 本書では、ピケティ的な意味での「市場経済の中での不平等(所得や資産の格差)」に焦点を絞り、その歴史を紐解きます。
まずは18世紀にフランス革命の思想的後ろ盾となった、ジャン=ジャック・ルソーと、そして“神の見えざる手”で知られるアダム・スミスから議論を始め、マルクス経済学、近代経済学、ピケティの下準備となった期間「不平等ルネサンス」、現代のピケティまで、260年間におよぶ不平等と闘った学問的軌跡を追っていきます。

目次

■0 はじめに 18世紀のルソーから、21世紀へのピケティへと回帰してみる
ルソー『人間不平等起源論』/スミス『国富論』
■1 スミスと古典派経済学
資本主義のもとでの不平等
■2 マルクス 労働力商品
「労働力」の発見/技術革新が失業者を生む?/原因は“資本蓄積”/技術革新の思想
■3 新古典派経済学
民主化の時代の成立/「誰もが資本家になりうる」可能性/「人的資本」という視点
■4 経済成長をいかに論じるか
新古典派はなぜ成長と分配問題への関心を低下させたか/技術革新と生産性との関係
■5 人的資本と労働市場の階層構造
労使関係の変容/「発展段階論」による歴史変化の説明/労働者間の格差は「人的資本」
■6 不平等ルネサンス(1)
はっきりしない「成長と分配」の理論
■7 不平等ルネサンス(2)
「生産と分配の理論」のモデルを考える/格差は温存されるか、平等化が実現するか
■8 不平等ルネサンス(3)
不平等は悪なのか?―ルソーとスミスの対決からピケティへ
■9 ピケティ『21世紀の資本』
インフレを重視/「r〉g」は歴史的に常態
■10 ピケティからこころもち離れて
ピケティの論敵たち/論じていない格差問題

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担当編集者より

資本主義と経済格差の問題は、切っても切り離せない関係にあるようです。不平等は端からいかんという考え方もあれば、不平等だからこそ人間はがむしゃらに頑張るのでは? という問いも考えられます。
この難問に挑んだ経済学の歩みを、『経済学という教養』などの著書で知られる稲葉振一郎さんがまとめ上げました。経済学の流れも、不平等の歴史も分かる、濃密な一冊です。

著者

稲葉 振一郎

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