巨大化し、グローバル化し続けるアート市場。現代アートに熱い視線が注がれる中、中国、ロシア、中近東など新興国が台頭する一方で、日本は大きな遅れをとっている。
アートは生き馬の目を抜く「肉食系ビジネス」だ。マドンナも、ディカプリオも、ビル・ゲイツも……セレブやビジネス界の大物コレクターがしのぎを削る舞台裏に、華やかなオークションの裏の裏まで知りぬいたサザビーズジャパンの前社長が招待する。
世界の二大オークション会社、サザビーズとクリスティーズ。サザビーズには50億~100億円の絵画を購入できる富裕層のリストがある。プライベートジェットで大富豪に営業をかける一方で、出品作を探す。オークション会社のビジネスチャンスは「3D」。death(死)、divorce(離婚)、debt(負債)だ。贋作やナチスの略奪品ではないか名画を「身体検査」し入念な準備を経て、名画はオークションにかけられる。
2012年、ムンクの「叫び」が当時の史上最高落札価格を更新した。息詰まる一騎打ちの心理戦。明かされなかった買い手の正体は誰だったのか?
駄作買いの日本人が嘲笑された時代もあったが、高騰する作品はどこが違うのだろう。 絵画の世界にも「売れる色」と「売れない色」があり、作家の死後30年たった時に「時の試練」に耐えて古典になれるかどうかが決め手である。アンディ・ウォーホルはほぼ10万ドルで買える作家だったが、2002年頃から評価が急騰、100億円もの値段で落札されるようになった。100億円もの高値を生む作家や作品には恐るべき「共感力」があると著者は指摘する。
「資産の20%はアート」とも言われ、国難やインフレにも強く、富裕層やセレブを虜にしているアート。「アートは人間そのもの」と語る著者が知られざるアートの世界の裏側を明かす。
第一章 息詰まるムンク「叫び」の落札風景
一騎打ちの心理戦/なぜこんなに高額なのか?
第二章 名画を「身体検査」する
ここはウォール・ストリート? 大富豪にプライベートジェットで営業/オーク所は「3Dビジネス」/盗難品とナチス略奪品をチェック
第三章 価格はどうやって決まるのか?
売れる色、売れない色/共感力が百億円に結びつく
第四章 資産としてのアート
「資産の20%はアート」が常識?/なぜアート市場は拡大し続けるのか
第五章 アートを買う
直感派と研究派/伝説のオークショニア
第六章 セレブとアートの華麗なる世界
マドンナのコレクション、女王陛下のダ・ヴィンチ/ダ・ヴィンチのノートを買ったビル・ゲイツ
第七章 グローバル化するアート産業
中国、ロシア、中近東の躍進、遅れをとる日本
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