電子書籍

告発 児童相談所が子供を殺す 山脇由貴子

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2016年09月23日
ジャンルノンフィクション
コード1666109000000000000D
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『児童相談所が子供を殺す』(山脇由貴子)
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告発 児童相談所が子供を殺す 山脇由貴子

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発売日2016年09月23日
ジャンルノンフィクション
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最後のセーフティーネットは穴だらけ――覚悟の告発!

最後のセーフティーネットは穴だらけ――元職員が覚悟の告発!

虐待された子どもの「最後のとりで」となるのが児童相談所です。必要があれば親と引き離したり、一時保護所で預かったり、訪問やカウンセリングをして安全を確保する役所―ーのはずなのに、「児童相談所に何度も通報していたのに虐待死してしまった」という例が後を絶ちません。なぜ、〝最後のセーフティーネット〟は虐待を見過ごしてしまうのでしょうか?
児童相談所の多忙、人手不足、専門家の不足、ハード面の限界は各メディアでも言われていますが、それは本質的な問題ではありません。本書で取り上げる問題の一例は――。

・子どもの運命を決める「児童福祉司」は、専門職ではない普通の公務員の異動先
・キャリアの長短に関わらず、児童福祉司に絶大な権限が集中
・心理的虐待、ネグレクトなどの相談終了の判断基準は「死ぬことはないから」
・虐待は手間と時間がかり責任を負いたくないので、学校、保育園などに押し付ける
・役所の中で児相は超不人気部署。“お役所体質”の問題が凝縮
・相模原市の児相談所が女子9人を全裸にして身体検査した事件は他でも起こり得る

なぜ虐待が起きるのか、見過ごされるのか、どうしたらいいのか? 著者は19年にわたり心理司として児相に勤め、2000人以上の家族と接してきたプロフェッショナル。15万部のベストセラー『教室の悪魔』を記したカウンセラーが、子どもたちの悲痛なか細い声を交えながら、満を持して問題のすべてを論じます。

目次

■はじめに
■序章 私が目の当たりにした悲劇
「児童福祉司」という病/子どもより親が怖い/普通の公務員による重大な決定
/「殺されるかもしれない」という心の声も……/何度も保護され、帰され、虐待されて/捨てた親と面会させる/児童相談所の構造的な問題
■第1章 なぜ虐待死は防げなかったのか
相模原市虐待死事件/SOSは無視された/「見た感じ」で判断?/責任は果たした/上司に報告しなかった担当者/言い訳ばかりの記者会見/女の子を裸にして身体検査
■第2章 児童相談所とは何か
子ども対応の「何でも屋」/相談受付から方針決定まで/典型的な〝お役所体質〟/問題は「人数」より「やる気」/大きすぎる児童福祉司の権限
■第3章 なぜ虐待はなくならないのか――虐待の「強制終了」/虐待相談はどこから来るか/関係機関からの通告/会議のための会議/相談受付は二十四時間/虐待対応 衝撃の真実/「泣き声通報」は後回し/七割は「助言」で終了/傷、あざがバロメーター/「俺もやってたから」が基準になる/警察からの通告は「断れない」/病院からの通告は最重視/怒る、怒鳴るも心理的虐待/「死ね」は虐待のサイン/DVは目撃するだけでも傷つく/アルコール依存症の親を介抱する子ども/ネグレクト家庭の悲しい食卓/親の愛情は成長の栄養
■第4章 なぜ虐待はなくならないのか――力量不足の児童福祉司たち
児童福祉司問題の核心/うつ病のお母さんを放置した結果/叩く、注意する、また叩く/もみ消されるか細い声/相談窓口は一つになったが……/「面倒だから受け流す」という悪癖/関係機関にまで及ぶ不信感/法律を作るということは、深刻化しているということ/児童相談所「以外」の熱心な相談員/保育園や学校の取り組み/生活保護家庭と虐待/一時保護所も課題山積/携帯電話から下着まで持ち込み禁止/満員だから家に帰す/子どもの言い分より親の言い分/「殺されなければ」保護はしない/非行にはお説教という時代錯誤/「育て直し」は家族も幸せにする/風俗・AVしか居場所がない女の子/叱責してどうする
■第5章 なぜ虐待はなくならないのか――児童養護施設に入れても続く問題
入所は親との「全面戦争」/継続的なケアはしない/問題がなければ放置/家庭復帰への強引な道のり/「今度こそ、叩かないよ」は信じられるか?/児童心理司の問題/ケアの方針を決める「心理診断」/軽視される子どもの心理/児童心理司も「会いに行かない」/本当の心理ケアとは何か?
■第6章 児童相談所が虐待をなくせない理由
子どもの心理――大人の本質は見抜かれている/児童福祉司の心理――「虐待」を見過す大人たち
■第7章 なぜ虐待は起きるのか
身体的虐待――「痛い目にあわせる」/不満のはけ口に子どもを選ぶ親/罪悪感は薄れ、快感が増す/心理的虐待――殴らない代わり/ネグレクト親の心理/虐待しながら妊娠する母親たち/隠される性的虐待/娘を犯す父、見てみぬフリの母
■第8章 どうしたら虐待は無くなるのか
児童相談所の不祥事が報道されない理由/虐待には「初動班」「専門班」、「家庭復帰班」で当たれ/警察はどう対応すべきか
■第9章 子どもと関わる上で重要な6つのこと
■あとがき

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担当編集者より

虐待のニュースが流れるたび、児童相談所の名前を耳にします。子どもに関する相談の総合窓口を担う公的機関ですが、子どもに直接対応する担当者は保育士や介護士のような資格職ではないため、個々人で対応がバラバラだ、と元職員の著者は指摘します。辛い思いをしている子どもたちと、児童相談所の未来のために――非情な現場を告発し、改善策を提示。子どもの心理を鮮やかに描ききった良質なルポとしても読める渾身の一作です。

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