これぞ日本人論の決定版!
勇気、創造性、卑怯を憎む心、郷土愛と祖国愛、そして惻隠の情――
「日本人らしい日本人」五人を選出、彼らの生涯を鮮やかに描く。
ライプニッツに先んじて、より高度な行列式を発見した関孝和の創造性。
常に民の苦しみを第一に考えた上杉鷹山の「惻隠の情」など、
今こそ日本人が思い出したい美しい生き方がここに。
関孝和 算聖と呼ばれた大天才
花開く和算の独創性/数学にノーベル賞があれば
上杉鷹山 「民の父母」たる名君主
重臣たちのクーデターと対決/「藩民は国の宝である」
福澤諭吉 誰よりも早く武士を捨てた男
オランダ語が通じない!/北里柴三郎に救いの手
河原操子 日蒙を繋いだ女子教育の先駆者
華僑の学校で初の女性教師/カラチン王国へのミッション
柴五郎 八カ国軍を率いた〝小さな男〟
一家自刃を知らされる/「柴中佐」が世界史を動かした
「安い日本」目当てにやってくる外国人観光客を見ていると、日本の地盤沈下をひしひしと実感します。こんな時に思い出したいのが、明治期のキリスト教思想家・内村鑑三が明治27(1894)年にあらわした『代表的日本人』です。当時、日本は欧米列強に追いつこうと必死でしたが、日本人は「黄色いサル」と侮蔑されていました。「日本にも欧米に勝るとも劣らない深い精神性が存在することを、欧米人たちに理解させよう」――そんな思いで、内村は『代表的日本人』を著しました。西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮の5人の足跡と偉業を、英語で発信したのです。そして今回、藤原正彦さんは「日本人の美質」という観点から、『藤原正彦の代表的日本人』を選びました。和算家の天才・関孝和、米沢藩の名君主・上杉鷹山、慶応義塾の創立者・福沢諭吉、女子教育の先駆者・河原操子、そして会津出身の陸軍大将・柴五郎の5人です。この5人を選んだ背景を、藤原さん自らが語ります。(聞き手:前島篤志・文春新書編集部)
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