祖母の家に幼い頃の自分を置いたままの私、死線から帰還しながら妻と情夫を銃で撃ち、長い虚無を生きる男……夢幻へと導く瞠目の8篇
インパール戦線から帰還した男は、銃で妻と情夫を撃ち、出所後、小豆相場で成功。北の果ての海に程近い「司祭館」に住みつく。ある日、そこに映画のロケ隊がやってきて……戦後の長い虚無を生きる男を描く表題作ほか、現代最高の幻視者が、詩句から触発された全8篇。夢幻へ、狂気へと誘われる戦慄の短篇集。解説・齋藤愼爾
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