おれは猫を飼うに値しない人間だと、わかっている。だが猫の高貴さがおれの悪業を洗い清めてくれる。愛猫に捧げる写真エッセイ集
おれは猫を飼うに値しない人間だ。来し方の悪業を考えるとそう思う。たおやかな峰のような背中。ときどきぴくりと動く耳。丸まった足の裏からのぞいている肉球。おれの無口なペン先ではとても描写できないほどとらちゃんは愛らしい。彼女がおれの罪を洗い流してくれるのかもしれない……。愛猫に捧げるエッセイ集。写真八十点収録。
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