小説を書くと決めた33歳の新聞記者・福田定一が綴る、花にまつわる10の妖しい物語。「司馬遼太郎」になる前の記念碑的短篇集!
司馬さんが33歳のときに、本名の「福田定一」名で華道家元の機関誌に発表した短篇が、初めて1冊にまとまりました。清の八十翁・松齢の庭に突如咲いた1茎の黒い花。不吉の前兆を断たんとしたその時に現われたのは……(「黒色の牡丹」)。人間稼業から脱し、仙人として生きる修行を続ける小角(おづぬ)がついに到達した夢幻の世界とは(「睡蓮」)。妖しくて物悲しい、花にまつわる10の幻想小説。『坂の上の雲』『竜馬がゆく』等の大作とは全く異なる、もう1つの司馬さんの世界を堪能して下さい。(KK)
1923年、大阪府生まれ。産経新聞在職中の1960年に『梟の城』で第42回直木賞を受賞。1966年の『竜馬がゆく』『国盗り物語』での第14回菊池寛賞はじめ多くの賞を受賞。主な著書に『燃えよ剣』『坂の上の雲』『翔ぶが如く』『関ヶ原』『功名が辻』『菜の花の沖』など多数。1996年没。
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