受け入れる方が楽に生きられることを、どうして自分は学べなかったのだろう……愛に破れ、手探りで一歩を踏み出す女たちの物語
「いいことの数は決まっていて、誰かが余計に手にすれば、誰かがあぶれる」。駆落ちした相手に逃げられたり、死んだ夫の連れ子と姑に手を焼かされたり……。とことん男運に恵まれないヒロインたちが、恋に翻弄され、揺れ動きながらも、何かをつかみとっていく姿を描く。情感あふれる8つの恋愛短篇。解説・山下久美子
1955年、金沢市生れ。銀行勤務などを経て、84年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞を受賞し、作家デビュー。さまざまな女性たちの心に寄り添う恋愛小説、エッセイで多くの読者の共感を得ている。2002年『肩ごしの恋人』で直木賞、08年『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『夜明け前に会いたい』『息がとまるほど』『100万回の言い訳』『一瞬でいい』『とける、とろける』『天に堕ちる』『雨心中』『セシルのもくろみ』『手のひらの砂漠』『逢魔』『啼かない鳥は空に溺れる』『淳子のてっぺん』『みちづれの猫』など多数。
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