第68.69代内閣総理大臣を務めた大平正芳の生涯を描いた傑作小説。
決してスマートとはいえない風貌に「鈍牛」「アーウー」と渾名された訥弁。だが遺した言葉は「環太平洋連帯」「文化の時代」「地域の自主性」など、21世紀の日本を見透かしていた。
キリスト教に帰依した青年期から、大蔵官僚として戦後日本の復興に尽くした壮年期、そして”三角大福”の一人として党内抗争の渦中へ。「政治家は倒れて後やむ」といい、総選挙の最中に壮絶な「戦死」を遂げるまでの波乱の生涯を、愛惜とともに描く。
大平正芳生誕100年記念として書き下ろされた長篇小説の文庫化。文庫解説は川村湊氏。
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