横浜焼き打ちを決行しようとした青年は、パリ万博で幕府の瓦解を知る。「一万円札の顔」になった日本最強の経営者、その数奇な運命。
色好みだけど、ケチではなかった。聖徳太子、福沢諭吉、そして渋沢栄一。新しく「一万円札の顔」になった男の人生航路は、エネルギーにあふれています。幕末にテロを決行しようとした青年は、あと一歩のところで踏みとどまり、その後、パリ万博で幕府が倒れたことを知りました。激動の明治時代には政府の財政状況を安定に導き、さらには五百もの企業を育て、日本一愛される経営者になったのです。九十一歳で亡くなるまで、ノーブレス・オブリージュに身を捧げています。「英雄色を好む」ところもありましたが、自分のために財産を残さず、妾腹の子供たちにも援助を惜しまなかったので、面倒なことは一切起こりませんでした。
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