書名(カナ) | コノヨハハラノタツコトバカリ |
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ページ数 | 256ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 上製 上製カバー装 |
初版奥付日 | 2022年07月22日 |
ISBN | 978-4-16-009026-2 |
Cコード | 0095 |
全国の私立の精神科病院を中心とした組織である日本精神科病院協会の会長であり、練達の精神科医である著者は、精神科医療のあり方について、長年積極的な提言を続けてきました。本書は、『誰も教えてくれなかった』(2017年、文藝春秋企画出版部刊)に続く2冊目の著者のエッセイ集で、前著同様、協会の機関誌に毎月掲載されている著者の「巻頭言」を収録したものです。著者は本書の「まえがき」で、こう述べています。「政策担当者自身の無理解と偏見で、精神障害者が地域で安心して暮らせる世の中にはなかなかならない。(中略)精神障害者は好き好んで障害者になったわけではなく、社会的弱者である。(中略)国は少子高齢化社会の中で持続可能な社会保障制度を維持するための財政健全化などと美辞麗句を並べるが、尽きるところ消費税増税、社会保障費削減、本人負担引き上げといった本音が透けて見える」。著者はこうした怒りを胸に、本質的な改革に向かおうとしない現在の精神科医療に、真っ向から切り込んでいきます。その切っ先は、少子高齢化社会への国の対策、働き方改革の行方、コロナ感染症への対処法、さらにはマスコミのあり方から世界の政治情勢にまで及びます。いわば「歯に衣着せぬ憂国の書」であり、その鋭い切れ味に留飲を下げる読者もきっと多いことでしょう。精神科医療の現状に、また、万事きれいごとで済ませる官僚たちや、建前と本音が違う政治家たち・マスコミ人士にうんざりしている読者諸氏に、必読の書としてお勧めします。
まえがき
Ⅰ 医師の在り方、精神科病院の在り方
専門医にならないという選択
アメリカでの隔離拘束最小限化成功の影響
統合失調症患者の寿命
第二一回医療経済実態調査結果で思うこと
欧米での患者中心医療の外側で起こっていること
あれは「不適切な発言」なのか
医学教育改革 仁を教える
増加する大量無差別的犯行に社会はどう対応するのか
Ⅱ 少子高齢化にどう向き合うか
住み慣れた地域で生活する
医療・介護制度の抜本的改革案
認知症患者の安楽死と介護殺人
今、ここにある危機
財政健全化計画
しあわせの基準
判っていたこと
誰にも先はわからない
子どもは国の宝
Ⅲ 「働き方」を問う
ほんとに働かなくていいのですか
働き方改革は誰のため
所詮きれいごと
外国人技能実習制度と特定技能
医療提供体制を根本から壊す働き方改革論議
Ⅳ マスコミと政治
忖度報道
煽動報道の弊害
腹の立つことばかり
忖度社会は是か非か
Shinzo come back
戦いすんで日が暮れて
Ⅴ コロナ禍とは何か
DPAT派遣について
弱点を見据え総力で対策に着手を!
新型コロナウイルス感染症は伝染病
再びコロナ問答
馬鹿を休み休み
コロナ禍の中で今できること
Too Slow Too Late
新型コロナウイルス感染症は人災
Ⅵ 世相にもの申す
禁煙運動というファッショ
ソーシャル・ボランティア・システムの提案
がんサロンを整備しよう
平成の終わりに
人間という愚かな存在
治療する医療から共生する医療へ
馬鹿につける薬
曲学阿世
蝕まれる心
隗より始めよ
デジタル化で国民は幸せになれるのか
温暖化ビジネスに思う
心が渇いたとき
Ⅶ 聖書、カトリック、中国共産党
宗教と歴史のはざまで その一
宗教と歴史のはざまで その二
Mamma Mia!
Mamma Mia! 続編
Mamma Mia! 続続編
中国共産党の歴史は粛清の嵐
Ⅷ この人を見よ!
トランプ三代
頑張れトランプ
いま、伝えたいこと
こんな女性に巡り会いたい
サー・ウィンストン・チャーチルの母
『週刊新潮』を読んで育った
「ジョルダーノ」に敬礼
石原慎太郎のお墨付き
あとがき
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