血盟団事件

2,310 (税込)
発売日2013年08月07日
商品情報
書名(カナ) ケツメイダンジケン
ページ数 400ページ
判型・造本・装丁 四六判 上製 上製カバー装
初版奥付日 2013年08月10日
ISBN 978-4-16-376550-1
Cコード 0095

若者たちが凶行に走った理由

「血盟団事件」は、日本史の教科書に出てくるほどの大事件でありながら、これまで五・一五事件や二・二六事件の様には取り上げられてはきませんでした。しかし、著者の中島氏はこの事件の中にこそ当時の若者たちが抱えた苦悩が隠されているのではないかと考えました。残された供述調書や回想録を精査する中で浮かび上がってきたのは、 格差問題や就職難、ワーキングプア、社会からの孤立感など現代の若者にも通底する悩みの数々でした。

資料を読むだけではなく中島氏は数々の「現場」を歩くことで、本書に厚みを加えます。事件現場となった東京・三井銀行本館をはじめ、茨城・大洗、群馬・川場、鹿児島、そして旧満洲の遼陽まで――足跡をたどる旅は、海外まで広がりました。

事件の鍵となる人物の周辺取材では、井上涼子氏(井上日召娘)、團紀彦氏(團琢磨曾孫)、中曽根康弘元首相(四元義隆と親交があった)へのインタビューを行ないました。また元血盟団のメンバー川崎長光氏に話を聞くこともできました。

海軍士官、エリート帝大生、定職に就けない若者など交わることのないはずだった人々が、カリスマ宗教家の井上日召と出会い凶行に走る――。
事件後八十年を経てその真相に迫ったノンフィクションです。

担当編集者より

昭和初期の日本は連続テロに見舞われました。なかでも一九三二年に起こった元蔵相・井上準之助暗殺と財界人・団琢磨の暗殺は、指導者の井上日召と「血盟団」という犯行グループ名と共に記憶されています。グループの中心は二十~三十代の若者たちでした。著者はこの若者たちに注目します。就職難や格差問題など現代と変わらない悩みを持った青年たち……彼らがなぜ暴力に走っらなければならなかったのか。八十年を経てその真相に迫ったノンフィクションです。(MO)

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