書名(カナ) | フィファ フハイノゼンウチマク |
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ページ数 | 384ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 上製 上製カバー装 |
初版奥付日 | 2015年10月30日 |
ISBN | 978-4-16-390363-7 |
Cコード | 0098 |
FIFA会長はスイスの本部から故国に帰国するたびに、
金の延べ棒をブリーフケースにいれて持ち帰っていた。
税関も外交パスポートを持つ彼をチェックできない。
資金洗浄、軍事独裁政権との癒着、韓国戦他での八百長、
W杯開催地選挙、会長選挙で飛び交う実弾、
放送権、マーケティング権をめぐる賄賂。
「今回のFIFA幹部一斉逮捕の端緒をつくり
ブラッターを辞任に追い込んだ男」(ワシントン・ポスト紙)
一匹狼の老調査報道記者アンドリュー・ジェニングスが
10年に及ぶ執念の取材のすべてを記す。
序 章 逮捕
世界を震撼させたFIFA幹部の逮捕劇は、三年前に私がFBIに預けた機密資料がき
っかけだった。私に脱税をつきつけられた米国の理事は、おとり捜査を承諾したのだ
第一章 リオのゴッドファーザー
違法宝くじで一大犯罪帝国を築いたリオのドン、カストル・アンドラーデ。彼のヤミ献
金帳簿には、大統領から判事、警察官そして、FIFA前会長アヴェランジェの名前が。
第二章 爆殺事件
リオデジャネイロの顔役だったカストロの死後、覇権をめぐって血で血を洗う争いがお
こる。一方で二〇〇〇年代世界各地のサッカー協会は腐敗の温床となった
第三章 FIFA会長の黄金入りアタッシュケース
チューリッヒからの帰りの便、アヴェランジェのアタッシュケースにはいつも金の延べ
棒がつめこまれていた。FIFA会長として外交官特権を持つ彼の鞄は税関も調べない
第四章 秘密賄賂リストを入手する
〇一年に経営破綻したイベント会社のISL。その89年から12年間の秘密の贈賄リストを私は入手した。アヴェランジェとその義理の息子は賄賂をいかにむしりとったか
第五章 ナイキとの片務契約
ブラジルサッカー連盟の会長であるテイシェイラの錬金術はナイキとの片務契約を結んだことから始まる。複雑な金融操作でマネーを洗浄、その金は議会の政治家へ
第六章 ドイツW杯決定のスキャンダル
06年のW杯は南アへ、そう耳打ちしていたブラッターだったが。結果は、オセアニアサ
ッカー連盟の棄権による一票差でドイツに決定。裏で二五万ドルの現金が動いていた
第七章 W杯チケット闇市場
W杯チケットは公式には、FIFA公認のチケットしか流通しないことになっている。
しかし、実際には四割が非公式ルートで流れる。その闇市場で甘い汁を吸う幹部たち
第八章 副会長の錬金術
中南米の票をとりまとめるためにプラッターが重用したトリニダードのジャック・ワー
ナーは、紛らわしい名前の会社を親族でつくり、そこにFIFAの金を振り込ませた
第九章 アメリカ理事はなぜ太っているのか
後にFBIのおとり捜査に協力することになるFIFA理事のチャック・ブレイザーは
アメックスのブラックカードの持ち主だった。美食、有名人好きブレイザーの素顔とは
第十章 副会長ジャック・ワーナーを切る
トリニダードのワーナーとアメリカのブレイザーが票を集め、アヴェランジェとブラッ
ターは引きかえに利権を与える。が、ワーナーはやりすぎた。ワーナー切りが始まる
第十一章 スイス当局の捜査
90年代後半から二〇〇〇年代始め、ISLの倒産を契機としてスイスの捜査当局はFIFAの汚職に挑んだ。検察は汚職捜査のベテラン、トマス・ヒルドブラントを投入
第十二章 法廷で暴かれた会長ブラッターの関与
ISL破綻を契機とする賄賂捜査の裁判がツークで行われた。日本の広告代理店の関与とともに、ブラッター関与の決定的証言が、ISLのCEOから飛び出すことになる。
第十三章 結審
スイスでの裁判は、二〇一〇年に結審する。アヴェランジェとテイシェイラは、判決を
非公開にするかわりに金を弁済することにし、FIFAは捜査費用を肩代わりする
第十四章 極秘捜査報告書の公開
裁判の結果は非公開。前会長アヴェランジェとティシェイラが賄賂を受け取ったことも、公表されていなかった。しかし、私たちは、裁判所に文書開示の申し立てをする
第十五章 アヴェランジェの追放
「パノラマ」での賄賂リスト公開後、IOCは倫理委員会を組織し、アヴェランジェの追放を決める。一方のFIFAは、スイス判所での判決が表に出ることを全力で阻止しようと
第十六章 軍事政権の虐殺に関与
テイシェイラに代わってブラジルサッカー連盟の会長の座に座ったホセ・マリア・マリ
ン。が彼には、軍事政権時代のジャーナリスト虐殺への関与があった。
第十七章 FIFA「捜査局」の実態
ブラッターは、FIFAでの腐敗を一掃するために、ニューヨークの凄腕法律家を雇っ
たと宣言。が、その弁護士ガルシアの調査は、ライバル追い落としのために使われる
第十八章 倫理コードを書き換える
アヴェランジェのもとに賄賂が届けられた事実をブラッターは知っていた。それが確認されたにもかかわらずブラッターが追放されないのは、FIFAの倫理規定のためだ
第十九章 ブラッター、家族の墓を移す
スイスにあるブラッター家の墓は実は、FIFA疑惑を追及したヒルドブラント検事の家の墓のすぐそばにあった。そのことを知ったブラッターは、どうしただろうか?
第二十章 靴を投げつける記者
ブラッターが主導権をもった最後の総会がFBIの捜査が続くなか一四年六月にブラジ
ルで開かれる。腐敗の帝国の滅びの予感のなか、新時代の息吹を感じる
編集部解説
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