書名(カナ) | タワムレノマオウ |
---|---|
ページ数 | 192ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 上製 上製カバー装 |
初版奥付日 | 2018年11月20日 |
ISBN | 978-4-16-390935-6 |
Cコード | 0093 |
「KUMAさんの言葉の内側には 命へのぶ厚い歓喜がへばりついている」
――井浦新さん(俳優)推薦!
甲斐駒ヶ岳の山岳地帯に作業場をかまえ、鉄のゲージツ家として活動を続けてきたオレ。後期高齢者となった今は、畑に野菜を作って猿や鹿との攻防を繰り広げ、奈良東大寺から蓮の根をわけてもらい、美しい花を咲かせるのに熱中する日々だ。
そんな作業場へ、サングラスを掛けたスキンヘッドの男たちがやってきた。
「ああ、そうか。マロの一味だな」
「はい、弟子の舞踏者です」
目をやると、テンガロンハットに黒い革のコートをまとった「中央線の魔王」が、桜の木に寄りかかっていた。オレの作品のガラスの柱を舞台に使わせてほしいと言うのだ。
「クマ、一緒に踊るか」
「オレが? マロと?」
子どもの頃から歌も踊りも苦手なオレだが、マロに「ダイジョーブ、俺が演出するんだ。素直な躰ひとつ、お持ちいただけるだけでよろしいので」とまで言われて怯むのは「私に生きる才能は残っておりません」と白旗を掲げるようなものだ。・・・
こうして白塗りのメイクで、マロが率いる舞踏集団の初舞台を踏む「戯れの魔王」。
オッカサンの死を看取り、蓮の花が開いて散るまでを見守る「蓮葬り」。
毎朝、遥拝してきた甲斐駒ヶ岳の奉仕登山にいどむ「アマテラスの踵」。
山岳の作業場に迷い込んだ瀕死の仔猫を助ける「ささらほーさら」。
泉鏡花文学賞受賞『骨風』のKUMAさん、生きる実感に満ちあふれた最新小説集。
ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。
雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。
※外部サイトに飛びます
感想を送る
本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。
※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。