単行本

東南アジア式

「まあいっか」で楽に生きる本

1,540 (税込)
発売日2023年02月06日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) トウナンアジアシキ マアイッカデラクニイキルホン
ページ数 192ページ
判型・造本・装丁 四六判 軽装 並製カバー装
初版奥付日 2023年02月10日
ISBN 978-4-16-391658-3
Cコード 0095

日本がなんだか辛いな、苦しいなと思っている人のための本

この本は、日本がなんだか辛いな、苦しいなと思っている方のための本です。
野本さんはマレーシアに家族で移住して10年。いまは海外教育や海外移住について書いたコラムやラジオ、講演会で大人気です。

一見不便で給与水準も低いのに、楽しそうな人が多いマレーシアという東南アジアの国。この国で学んだ人生を楽しく暮らす方法を紹介します。

野本さんは子どもを産む前、「こうすべき」が多い人間ででした。
ー子どもが引きこもりになったらどうしよう
ー不登校になったらどうしよう
ーいじめられたらどうしよう

と不安でいっぱいでした。「子育ては親の自己責任で」とか「子どもをちゃんと育てられないのなら産むな」と言う人もいて、「そんなの産んでみないとわからないよ。きっついな」と思っていたそうです。そんな中で「嫌なら転校すればいいだけ」というマレーシア人や「子育てはテキトーでいい」とする日本人たちの存在は光明に見えたそうです。マレーシアに住んでみて気づいたのは、世界は自分が思ってるよりさらに広くて多様だということ。日本はかなりユニークで変わった文化だということでした。マレーシアに来て数えきれないほど様ざまな失敗をし、

―ほとんどのことには正解がない
―他人に期待しないと怒らなくて済む
―他人はコントロールできない
—精神のコントロールは自分でする
―白黒つけるのをやめる
―80%くらいの完成度で世の中に出す
―スピードの方が大事
―他人を助けると自分に返ってくる

といったことを現地の人々から教えてもらい、ずいぶん生きやすくなったそうです。
日本人は圧倒的に「ちゃんとしなくては」で苦しんでる人が多すぎる。しかし世界を見ると、そこまで厳しく緻密さや正確さは求められていないのです。海外進出する企業や学校教育の現場において、感情をコントロールすることの大切さをユニークな視点で書いたエッセイ。

https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163916583

週刊文春「文春図書館 著者は語る」2023年2月23日号https://bunshun.jp/articles/-/60797

本の話ポッドキャスト
https://anchor.fm/hon-web/episodes/ep-e1ubkgu/a-a97hnio

文春オンライン記事
前編https://bunshun.jp/articles/-/60090
後編
https://bunshun.jp/articles/-/60091

目次

第1章「まあいっかの生活」からはじまる人生の幸福
「謎の逆転現象」の正体/「子育ては損」はやっぱり変だと思う/子育ての「ちゃんとして!」事情/学校からはみ出してしまう子どもの増加/
「他人やシステムに期待する」という教育/「ズルい」という感情ははぜ起きるのか?/親が人生を楽しむ/消費税もスピーディーに廃止される国/細かいことは気にしない/作り笑顔を見なくていい世界/ルワンダ人が言う「スローリー、スローリー、ラーニング」

第2章「まあいっかの働き方」がビジネスを変える
日本メーカーが見誤った「過剰品質の罠」/海外で聞く「日本企業からの要求の厳しさ」/うるさい客は相手にされない/サービスは払った値段なり/「ちゃんとしている」の「ちゃんと」はみんな違う/契約書ベースvs. 調整型の仕事/計画を変えたがらない日本人のビジネス感覚 /最初から百点満点を目指さない /メイド・イン・ジャパンという過信/プロダクトアウトからマーケットインへの発想 /社員を「友だちのように大事にする」 /「和を重視する」との違いは/お詫びを重視する社会 / 怒りを鎮めるための「謝罪の儀式」

第3章「まあいっかの教育」が視野を広げる
教科書・ノート・ドリル・ 黒板への思い込み/世界中で広がる 「4つのC」 /なぜ今「4C」 がビジネスに必要なのか/親のやっておくべき学び その1/親のやっておくべき学び その2 /4Cを学ぶのに必要な「心理的安全性」/「議論」のゴールは「論破」ではない/アプローチは国やシステムによって異なる /新しい教育は評判が悪い / エクスクルーシブ教育の弊害とは /「白黒思考」による弊害/「他人を放っておく」ことの重要性を学ぶこと

第4章「まあいっかの人間関係」が社会を豊かにする
「まあ、いいよ」 のある社会/「家族が大事だ」というマレーシアの人びと /「家族が大事だ」というマレーシアのびと/「不機嫌な人」がいるのが当たり前の家庭 / 社会に蔓延する「怒り」を正当化する人びと/「ダメ出し文化」について / ミスが多い人間は寛容な社会の方が気楽/「迷惑をかけてはいけない」が社会を息苦しくする/ 「どうにもならないこと」の当たり前 / ボランティア現場のざっくりマネジメント /「ま、いいか」 をギャグにする人びと / 断水や洪水もお笑いネタに / 真面目になりつつあるマレーシア /「ウニ的」「風船的」人間関係/「寛容と合理性」が社会を豊かにする / 異なる空気の世界へ /

おわりに
資料・参考文献


【著者が語る】野本響子さん マレーシアの「まあいっか」ライフ

担当編集者より

3人の子どもの子育てと仕事で疲れきっていたときに出会ったのが、今はなくなってしまった「cakes」で連載していた野本響子さんのコラムでした。そこには、マレーシアには寛容な人びとがのびのびと自由に暮らしている様子が、様々なテーマで書かれていました。野本さんの日常に起こることが楽しそうなのです。たとえば、息子さんの学校の個人面談。クラスの父兄で作っていたグループチャットで「行きたくないなー」と野本さんがぼやくと、華人のママ友が「行きたくなければ、行かなければいいのよ~」。「そ、そうなの?」「私も行かなかったよ」長年付き合ってきた華人のお友達も「私も!私も!行かなくて大丈夫だよ」
「そうか。嫌なら行かなくていいのか~」「日本では思いつかなかった選択です」と。こんなふうに気楽に生きれるところで子育てができたらいいなあと、コラムを読むたびに楽しい気持ちになりました。それからめぐりめぐって数年経ち、「cakes」から「note」へ移行したコラムの連載を書籍化させていただきました。ひとりでも多くの方が、日本の社会で生きづらさを感じていることが、少しでも軽やかになることを願って。

著者

野本 響子

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