書名(かな) | わいるどさいどひょうりゅうき かぶきちょうにしなりいんどそのほかのまち |
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ページ数 | 208ページ |
判型・造本・装丁 | 四六判 軽装 並製カバー装 |
初版奥付日 | 2025年06月30日 |
ISBN | 978-4-16-391993-5 |
Cコード | 0095 |
ページをめくるたびに恐ろしくなる。
でもその恐ろしさに惹かれて、僕も旅に出たくなる。
國友氏の『冒険の書』は、まるで呪いだ。――清野とおる(漫画家)
歌舞伎町、西成、インド、モンゴル――行く先々で、衝撃的な出来事に次から次へと巻き込まれる。旅の途中で出会うのは、なぜか決まってラスボス級にパンチの効いた人間ばかり。時に命すら危険に晒し、「こんなはずじゃなかったのに……」と愕然とすることもしばしば発生。しかし、カオスで制御不能な状況であればあるほど、面白がって最終的にはすべてを人生の糧にしてしまう。気づけばワイルドサイドを全力疾走している著者のタフな野次馬精神が生んだ、大いに笑えてパワーがみなぎる一冊。
■収録エピソード例
「化石になったドヤの住人を発掘する」
かつての同僚で前科九犯のシャブ中、青山さん。自衛隊→マグロ漁船→右翼→ヤクザというキャリアを歩んだ宮崎さん。出会い系サイトに「君の執事になりたい」と書き込んでいた「執オジ」。彼らは今どうしているのか?
「憂鬱で退廃的なゲイ風俗店の待機室」
就職せず男娼になった私は、野球部の後輩キャラ「ゆうた」&格闘技系男子「てつや」として指名を取りまくっていた。アクの強い常連客の要求に応え、労働に勤しむが、店のオーナーの逮捕によってモラトリアムは終焉を迎える。
「『トゥモローホース』の悪夢」
モンゴルの山奥で出会った某俳優似の男が繰り返し口にする「トゥモローホース、OK?」。その問いかけの真意が明らかになったとき、私は絶叫しながらMMAファイターばりの本気のファイティングポーズをとるはめに。
「歌舞伎町のラブホテルを不法占拠する蟹の密漁おじさん」
「ヤクザマンション」を引き払い新居で暮らし始めた矢先、駐車場を占領している謎の男性を発見。路上で大量の空き缶を集め、金魚と暮らすおじさんが見つけた“安住の地”は、歌舞伎町の奥に佇む廃ラブホテルだった。
■著者コメント(「まえがき」より一部抜粋)
ルポライターという職業に就いている私は、これまで意識的にいろんな街に赴いてきた。ときにはその街のことを知るために長期滞在したり、実際に住んだりすることもあった。一時期ホームレス生活をしていて、都内各地の路上や河川敷に住んでいたこともある。
思い返すと私はそれぞれの街で多大なる影響を受けていることに気付く。人は食べたものでできていると言うけれど、私は、自分が住んだ街で出会った「突飛な変わった人」によってできている。この本には、私が各地で出会った「突飛な変わった人」が私の人生観が変わる重要なポイントで出現しまくる。彼らの一挙手一投足が、読者のみなさんが住む街を選ぶ際の手助けになれば私も彼らも報われる。
まえがき
〈西成〉
来るとすべてがどうでもよくなる街
カラオケ居酒屋で一人、德永英明を唄いたい
百万円民泊の謎に迫る
化石になったドヤの住人を発掘する
最後の住人を静かに見守る「ホテルA」
〈モンゴル〉
「田舎はたまに行くからいい」は本当か
ウランバートルは意外と都会だった
筋トレに取り憑かれたモンゴルの青年ベルック
床屋が異常に多い街・ウルギーで総書記になる
アル中のカザフ族と八時間かけてアルタイ山脈越え
「トゥモローホース」の悪夢
〈インド・ネパール〉
インド最下層列車に現れたギャングたち
コルカタの野戦病院に倒れる
バラナシの死体焼き場で神様に恐喝される
カトマンズで見た月収二万円の生活
ニューデリーの最凶売春地帯で監禁未遂
〈東京(新宿・上野)〉
だから、私は男娼になった
憂鬱で退廃的なゲイ風俗店の待機室
「パリジェンヌ」で優雅なコーヒータイムを
歌舞伎町のラブホテルを不法占拠する蟹の密漁おじさん
このままずっと、新宿に住むものだと思っていた
〈横浜〉
横浜のワイルドサイドを駆け巡る
ドヤ街の真ん中に別宅を借りてみた
「新宿と横浜」二拠点生活のススメ
このままずっと、駅徒歩二十五分の街に住んでいたい
あとがき
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