| 書名(かな) | おぺらてぃお |
|---|---|
| ページ数 | 512ページ |
| 判型・造本・装丁 | 四六判 上製 上製カバー装 |
| 初版奥付日 | 2026年10月10日 |
| ISBN | 978-4-16-392155-6 |
| Cコード | 0093 |
真山仁が描く「令和の政治スリラー」
政治の腐敗、独裁者の台頭、SNSが生む憎悪の連鎖——。真山仁の最新長編小説『オペラティオ』は、現代日本のリアルな病巣を鋭く抉り出す本格政治スリラーだ。金融担当大臣が銀座で刺殺され、遺体に「ざまあ!」と書かれたメモが残された一件を発端に、政治家、新聞記者、公安調査庁の調査官、過激な野党党首——それぞれの思惑が複雑に絡み合いながら、日本社会が少しずつ崩壊していく様が描かれる。
「ざまあ系殺人」が暴く日本の病
物語の中心にあるのは、「ざまあ系殺人」と呼ばれる連続事件だ。腐敗した権力者が次々と刃に倒れ、犯人はその場で自殺、遺体には「ざまあ!」のメモが残される。この一連の犯行に、SNS上の民衆は喝采を送り、模倣犯が続出する。
本書の語り手は三人。野党第一党「希道党」の党首特別補佐として政界に関わる政治学者・白石望、大手新聞社「暁光新聞」の記者・神林裕太、そして公安調査庁の分析官・長谷川晶だ。三者三様の視点が交差しながら、事件の背景にある政治の陰謀と、社会に広がる怒りの連鎖が浮かび上がる。
白石はSNSを駆使した新たな選挙戦略「ヘルメス」を胸に秘め、選挙に勝つために「手段を選ばない」覚悟を固めていく。神林は上司である伝説の記者・東條謙介に翻弄されながら、権力の腐敗を暴くスクープを追う。長谷川は職務の建前とルールの狭間で葛藤しながら、事件の黒幕を探り続ける。
政治とは「約束」か、それとも「インパクト」か
作中でたびたび問われるのが、「政治とは何か」という根本的な問いだ。白石は学生たちの前でこう語る。「政治とは、約束——」と。しかしその一方で、「全てを守る必要はない。なぜなら、大半の人は、すぐに約束の中身を忘れてしまうからだ」という冷徹な本音も、ページの上に刻まれている。理想と現実の乖離、そして権力を手にするために人が払う代償——そこに本書の核心がある。
物語が進むにつれ、石動という元総理の復活劇と、その背後に潜む真の黒幕・宮藤の存在が明かされる。独裁者とも呼ぶべき政権が国民の熱狂的支持を集める様は、フィクションでありながらどこかリアルな恐怖を呼び起こす。「民衆は、恐怖に踊る」と作中人物は嘆く。そして、そのような状況を生み出したのは、政治家の失態だけでなく、「怒りをぶつけていい相手を見つけた瞬間、全員が一斉に攻撃的になる」国民の感情でもある。
企業買収や医療、原発など、社会の最前線をテーマに小説を書き続けてきた真山仁。時事的なテーマをエンターテインメントとして昇華しながら、読者に問いかける。「あなたは、欺されていないか」と。一気読み必至の力作だ。
プロローグ
第一章 ざまあ!
第二章 ローンウルフ
第三章 使徒
第四章 ヘルメス
第五章 救世主
第六章 宣戦布告
第七章 闘犬
第八章 独裁
第九章 深謀
エピローグ
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