働く女子の運命 濱口桂一郎

924 (税込)
発売日2015年12月18日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) ハタラクジョシノウンメイ
ページ数 256ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2015年12月20日
ISBN 978-4-16-661062-4
Cコード 0295
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働く女子の運命 濱口桂一郎

924 (税込)
発売日2015年12月18日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) ハタラクジョシノウンメイ
ページ数 256ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2015年12月20日
ISBN 978-4-16-661062-4
Cコード 0295

ジェンダーギャップ指数は一四二か国中一〇四位

女性の「活用」は叫ばれて久しいのに、日本の女性はなぜ「活躍」できないのか?
社会進出における男女格差を示す「ジェンダーギャップ指数2015」では、日本は145カ国中101位という低い数字。その理由は雇用システムの違いにある。
ジョブ(職務)=スキル(技能)に対して賃金を払う〈ジョブ型社会〉の欧米諸国と違い、日本社会では「社員」という名のメンバーを「入社」させ、定年退職までの長期間、どんな異動にも耐え、遠方への転勤も喜んで受ける「能力」と、企業へ忠誠を尽くす「態度」の積み重ねが査定基準になりがちだ。このような〈メンバーシップ型社会〉のもとでは、仕事がいくら出来ようとも、育児や出産の「リスク」を抱える女性は重要な業務から遠ざけられてきた。なぜそんな雇用になったのか――その答えは日本型雇用の歴史にある。
本書では、豊富な史料をもとに、当時の企業側、働く女子たち双方の肉声を多数紹介。歴史の中にこそ女子の働きづらさの本質があった! 老若男女必読の一冊。

〈〈目次〉〉
●序章 日本の女性はなぜ「活躍」できないのか?
――少子化ショックで慌てて“女性の活躍”が叫ばれるという皮肉
●1章 女子という身分
――基幹業務から遠ざけ、結婚退職制度などで「女の子」扱いしてきた戦後
●2章 女房子供を養う賃金
――問題の本質は賃金制度にあり。「男が家族の人数分を稼ぐ」システムとは?
●3章 日本型男女平等のねじれ
――1985年、男女雇用機会均等法成立。しかし欧米型男女平等とは遠く離れていた
●4章 均等世代から育休世代へ
――ワーキングマザーを苦しめる「時間無制限」「転勤無制限」の地獄
●終章 日本型雇用と女子の運命
――男女がともにワークライフバランスを望める未来はあるのか?

目次

●序章 日本の女性はなぜ「活躍」できないのか?
●第1章 女子という身分
1 会社にとって女子とは?
2 女工の時代
3 女事務員の登場
4 女子挺身隊と労組婦人部
5 ビジネス・ガールとオフィス・レディ
6 女子は若いのに限る
●第2章 女房子供を養う賃金
1 生活給思想と皇国勤労観
2 生活給を世界が批判
3 職務給シフトの試み
4 労働組合は生活給が大好き
5 正体不明の「知的熟練」
6 日本独自の「同一価値労働」論
●第3章 日本型男女平等のねじれ
1 欧米ジョブ型社会の男女平等
2 均等法を作った女たち
3 日本型雇用・アズ・ナンバーワン
4 「総合職」と「一般職」の登場
●第4章 均等世代から育休世代へ
1 女性総合職の本格化とOLビッグバン
2 なお残る間接差別
3 夫は「ワーク」、妻は「ライフ」の分業システム
4 ワークライフバランスの逆説
5 マミートラックこそノーマルトラック
●終章 日本型雇用と女子の運命

担当編集者より

つい最近まで、女子は「腰掛け就職」「職場の花」などと呼ばれ、重要な業務につけず、管理職にもなれない不遇を味わってきました。
そしてやってきた失われた20年以降、総合職というコースが用意された代わりに、“転勤も労働時間も無制限”に働けという。
さらには「少子化対策と女性の活躍」を両立させる、ですって――!?
いったい女性にどうしろと言うのでしょう。
本書では富岡製糸場から戦争時、職業婦人、ビジネス・ガールといった働く女子の歴史を追いながら、男性中心に成功してきた日本型雇用の問題点を探っていきます。

著者

濱口 桂一郎

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