作品紹介

日本は世界有数の自然災害多発地であり、巨大災害が発生すれば、その及ぼす被害は、わが国の存立発展に致命的な影響を及ぼしかねません。ゼロメートル地帯が広範囲に広がる東京・大阪・名古屋は危険です。とくに危ないのが首都東京なのです。
南関東で発生するマグニチユード7程度の地震が、今後30年以内に70%の確率で発生すると予測されています。そして東京を中心とする首都圏で、国の政治、経済などが、最大級の被害を受け中枢機能が損なわれると、その影響は国内のみならず海外まで広く及ぶ可能性があります。
土木学会は平成29年6月、東京湾巨大高潮が発生した場合、経済被害が46兆円、資産被害64兆円、財政的被害5兆円、合計115兆円と推計しました。東京都では平成30年3月、想定最大規模の高潮が襲来すると、最大水深が約10mに達し、浸水が想定される区は23区中17区にも及び、区域内人口(昼間)が395万人に達すると公表しました。
さらに8月、東京東部低地帯に位置する江東5区(墨田区・江東区・⾜⽴区・葛飾区・江戸川区)は、大規模水害に際して、地域住民全員(約250万人)を区外へ避難発令する「広域避難計画」と「江東5区大規模水害ハザードマップ」を発表しました。
これら各機関の相次ぐ「大水害」を想定した検討結果の公表は、東京に迫り来る「大水害」がいよいよ現実味を増してきていることを示しています。
首都東京における「地震洪水」は、ゼロメートル地帯を大規模に擁する首都圏に甚大な被害をもたらします。この地域の安全と国民の生活の安寧を確保できなければ、日本という国の存立そのものを失うことにも繋がってしまいます。今こそ、次の世代のために、日本でいちばん大きな弱点となってしまった首都東京の安全確保のために、あらゆることをしなければなりません。本書は、命を失うことの無い首都東京を造るための指南書です。

担当編集者より
著者の土屋さんは、都庁で土木の専門家として、水害にあたってきました。その彼が最も危惧するのが、首都東京を襲う大水害です。直下型地震が伴えば、壊滅的な被害をもたらします。ゼロメートル地帯が広がる首都東京は、待ったなしで取り組まなければならないのです。
著者は、「自分には起きないだろう」と誰もが思いがちだが、それでは危機が回避できないと述べます。この本は、都民だけではなく、日本国民全部が読んでおくべき、警告の書なのです。
目次
第1章なぜ大水害は起きるのか
私たちの営みが水害を招いている
水害リスクを増大させる異常気象
四つの洪水
東京を襲う「巨大洪水」

第2章 西日本豪雨の教訓
雨が降り出し危険になってから発令される避難情報!
自分の判断で早く行動する
発令者の論理が避難情報を改悪した

第3章 防災という罠
覚えきれない防災用語と英語

第4章 ゼロメートル地帯江戸川区のハザードマップ作り
31万人の避難場所がない!
水害の歴史が編み出した「越境避難」「渡河避難」

第5章 マニュアルの充実は防災力を脆弱にする
災害マニュアルはどこまで想定しているのか
洪水対応マニュアル

第6章 首都直下地震により発生する「地震洪水」
「地震洪水」で地震被害にさらに加わる洪水被害

第7章 大水害にどう立ち向かえばいいのか
ハリケーン・カトリーナの教訓
江東5区大規模水害ハザードマップはゼロメートル地帯の悲鳴
浸水域は運命共同体

第8章 見えない津波防潮堤を実現した女川町
東京の「命山」をモデルに道路の下に隠した防潮堤防
宮城県女川町の復興区画整理

第9章 たゆまず続けられてきたゼロメートル地帯の「命山」建設
海が攻めてくる!!
海岸堤防建設

第10章 先人の知恵に学ぶ
存在していた命山(安全な高台)
利根川決壊
商品情報
書名(カナ) スイガイレットウ
ページ数 256ページ
判型・造本・装丁 新書判
初版奥付日 2019年07月20日
ISBN 978-4-16-661227-7
Cコード 0295

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