書名(かな) | かうんたーえりーと |
---|---|
ページ数 | 288ページ |
判型・造本・装丁 | 新書判 |
初版奥付日 | 2025年04月20日 |
ISBN | 978-4-16-661492-9 |
Cコード | 0295 |
トランプ ヴァンス 石丸伸二 尹錫悦……
なぜ破壊者は台頭するのか。
「何かが間違っている」。そう主張し、政府やメディアなどを「既得権益化したエリート」として批判する〝カウンターエリート〟が支持を集め、世界中で地殻変動が始まっている。シリコンバレーで生まれた彼らの思想を手がかりに、その背景や論理、これから起こる変化を徹底解説。ニュース解説メディア『The HEADLINE』編集長、初の著書。
■トランプ2.0以後の世界を読み解く必読書■
大統領に再選したドナルド・トランプ大統領、影響力が増すイーロン・マスク、ゼレンスキー会談で注目を集めた副大統領のJ.D.ヴァンス⋯彼らに共通するのは、既存の「リベラルな秩序」に挑戦するカウンターエリートという潮流だった。
彼らは単なる「反エリート」ではなく、自らの「何かが間違っている」という主張を掲げ、支持を広げている。背景にあるのは、世界的投資家ピーター・ティールや暗黒啓蒙の思想家カーティス・ヤーヴィンらが支持する「奇妙な右翼サブカルチャー」だ――。
なぜリベラルなシリコンバレーは、保守派に転向しつつあるのか?なぜ世界で同時多発的に、新たな政治家が台頭し、既存秩序を揺るがしているのか?石丸現象や兵庫県知事選、韓国の戒厳令などに共通する背景とは?
リバタリアンからポッドキャストに台頭するマノスフィア文化、反Wokeまで広範な思想を読み解く。
●目次
はじめに
第1章 選挙イヤーに誕生したカウンターエリート
第2章 ピーター・ティールの思想
第3章 シリコンバレーの欺瞞
第4章 カウンターエリートの導師
第5章 利己的なリバタリアンか、反Wokeの差別主義者か
第6章 そして世界に広がった
第7章 カウンターエリートが台頭する三つの理由
第8章 カウンターエリートがもたらすもの
おわりに
はじめに
本当に重要なことが、無視されている
文化的エリートの死
新しいタイプの政治的・文化的エリート
第1章 選挙イヤーに誕生したカウンターエリート
盛り上がるエリート批判
反知性主義
リベラルやポリコレへの批判
エリートによるエリート批判
ティールのカウンターエリート論
カウンターエリートの台頭
カウンターエリートとは何か
第2章 ピーター・ティールの思想
孤高のエリートが好んだ2人の大統領
競争に明け暮れた青年期
スタンフォードでの落胆
真実を追求する友人との出会い
模倣の欲望
「競争は負け犬がするもの」
「高等教育はバブル」
学位はもはや万能薬ではない
「大学には行くな」
「多様性は欺瞞」
多様性の魔術
「グローバリゼーションはコピペ」
第3章 シリコンバレーの欺瞞
破壊主義者か現状維持主義者か
破壊主義者としてのシリコンバレー
カウンターカルチャーの聖地から資本主義の聖地へ
メインストリームのカルチャーへ
楽観主義
政治のメインストリームへ
「Change」
「空飛ぶクルマを望んでいたのに、手にしていたのは140字だ」
リベラルなシリコンバレー?
第4章 カウンターエリートの導師
エリートは世界の停滞に気付いていない
MAGAというナラティブ
賛成する人がほとんどいない、隠れた「真実」
奇妙な右翼サブカルチャー
導師となった右翼ブロガー
エリートたちが巣食う「大聖堂」
官僚制破壊の先にある統治構想
「トランプはアメリカのCEO」
パイプ役としてのティール
統治理論としての『ゼロ・トゥ・ワン』
「赤い薬」による目覚め
シリコンバレーの転向
「死んだドグマ」としての民主主義
インテレクチュアル・ダークウェブ
第5章 利己的なリバタリアンか、反Wokeの差別主義者か
好ましからざる人物
リバタリアンとしてのテックエリート
鍵となる小説家アイン・ランド
利己的な起業家
神話の終焉
ビルダー階級
Woke・DEI
反Wokeテックブロとニューライト
台頭するニューライト
暗黒啓蒙からニューライトへ
世界が女性化している
成長がすべてだ
第6章 そして世界に広がった
陰謀論YouTuberが大統領を動かす韓国
知的ネットワークに組み込まれるハンガリーやアルゼンチン
官僚主義が批判される欧州
「例外主義の終焉」を迎えるドイツ
欧州を「口撃」するヴァンス
日本のカウンターエリートたち
リベラル・保守の喪失
第7章 カウンターエリートが台頭する三つの理由
トランプ台頭の原因は「人種的憤り」
単なる「改革」のリバイバル?
「リベラルな秩序」への挑戦者
リベラル・コンセンサスの解体
増幅装置としてのソーシャルメディア
メディアの構造転換
ストーリーテラーの支配
重要なのはキャラクター
「物語を語る者が世界を支配する」
第8章 カウンターエリートがもたらすもの
アメリカ政府はスタートアップではない
権威主義への転換
官僚制への不満
民主主義のガードレール
官僚制の誘惑
「プレイ」をする破壊主義者
エリートの競争激化
テクノロジーが可能にする国家へのカウンター
国家から脱出?
アメリカの弱体化
おわりに
悪いニュースの始まりか?
テクノロジー楽観主義
左派のビジョンの復権へ
進歩主義者のテクノロジー楽観主義
謝辞
参考URL
ご希望のデータがダウンロードできない場合や、著者インタビューのご依頼、その他の本の紹介に関するお問合せは、直接プロモーション部へご連絡ください。
雑誌・書籍の内容に関するご意見、書籍・記事・写真等の転載、朗読、二次利用などに関するお問合せ、その他については「文藝春秋へのお問合せ」をご覧ください。
感想を送る
本書をお読みになったご意見・ご感想をお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社ウェブサイト、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただく場合がございます。
※いただいた内容へのご返信は致しかねますのでご了承ください。
※ご意見・ご感想以外は、こちらから各部門にお送りください。