書名(カナ) | ショウワシトワタシ |
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ページ数 | 384ページ |
判型・造本・装丁 | 文庫判 |
初版奥付日 | 2018年10月10日 |
ISBN | 978-4-16-813076-2 |
Cコード | 0195 |
のちに東大総長となる著者が中学3年生のとき、昭和天皇は即位した。金融恐慌と山東出兵、戦争にむけて加速しつつある時代に著者は青春期を過ごす。
そして63年後、天皇は崩御し、同じ年、著者は参議院議員の任期を終えた。ベルリンの壁は崩壊し、第二次大戦の結果うまれた冷戦の世界は終焉を迎えた。
ここで自らの「昭和とともに生きた半生」を振り返り、同時に昭和とは何だかっのかを総括するため、本書を執筆する。
金融恐慌と山東出兵で始まった昭和。知識人の間ではマルクス主義が台頭し、多感な青年であった著者も当選のごとくこれに心酔する。戦時中は海軍に応召され、戦後も共産主義活動に参加するが、次第に現実との齟齬に気づきはじめ、共産主義から離れていく。
のちに西洋史家の泰斗となる筆者は、激動の世界情勢と、翻弄される日本を俯瞰して描くとともに、この間に自らがどのように感じ、生きたたかを活き活きと活写する。立体的な構成により、読者は昭和という時代を我が物のように追体験することができる。
歴史学者、東大教授となり、文学部長であったとき、安保闘争が起こり、奇しくも左翼活動家の学生たちと、大学の代表者として対峙する立場となっていた。力で要求を実現しようとする全共闘の学生たちにより173時間にわたってキャンパス内に軟禁されるが。あくまで筋を通し、暴力で国家を変えることはできないことえを身をもって示す。
東大総長を務めたのち、自民党参議院議員に。天皇崩御に臨んでは、天皇賛美を批判する共産党「赤旗」に対し「文藝春秋」誌上で反論、この論争は大きな反響を呼んだ。
昭和に続く平成も終わろうとしている今こそ待望の復刻版。「昭和」を多面的・重層的に振り返る歴史学者の視点から学ぶことはあまりに多い。
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