新版 頼朝の時代 1180年代内乱史 河内祥輔

1,650 (税込)
発売日2021年12月07日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) シンパン ヨリトモノジダイ センヒャクハチジュウネンダイナイランシ
ページ数 384ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2021年12月10日
ISBN 978-4-16-813096-0
Cコード 0195
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新版 頼朝の時代 1180年代内乱史 河内祥輔

1,650 (税込)
発売日2021年12月07日
ジャンルノンフィクション
商品情報
書名(カナ) シンパン ヨリトモノジダイ センヒャクハチジュウネンダイナイランシ
ページ数 384ページ
判型・造本・装丁 文庫判
初版奥付日 2021年12月10日
ISBN 978-4-16-813096-0
Cコード 0195

源頼朝と後白河法皇。中世の幕を開けたふたりの真実

〈頼朝の選択が、中世をひらいた〉

源頼朝が幕府を樹立するまでには、幾多の謎がある。

挙兵直後に惨敗しながら、なぜ次々と武士が結集したのか。
平家の追討軍に勝利しても、なぜ3年半も鎌倉を動かなかったのか。
源義仲は京を制圧しながら、なぜ敗れたのか。
弟義経はなぜ逐われたのか
そして――
頼朝にとって後白河上皇はどのような存在だったのか。

鎌倉幕府成立論に新たな地平を拓いた名著。


「平家は『朝廷の破壊者』であるからこそ打倒の対象となったのであり、そうした意識が広く存在したからこそ、多くの武士が反平家運動に参加した(略)本書において河内氏は、この内乱の本質を地方武士が参加する『朝廷再建運動』たる点に見いだしている。(略)重畳たる山脈の様相を呈する従来の鎌倉幕府成立史研究から本書はひとり距離をおき、孤高を持しているのである」――解説・三田武繁

目次

【中世はじまる】
頼朝勢力の誕生
頼朝に危機迫る/奇跡的成功/源希義の場合/反平家の気運/富士河合戦

治承三年十一月政変
未曾有の事件/後白河の「中世」体験/清盛の決起/朝廷の新体制

以仁事件の顛末
反平家運動の始まり/以仁の立場/皇子の決起/寺院大衆のアジール運動/宇治合戦にみる中世/以仁の遺文/以仁の檄〔甲〕/以仁の檄〔乙〕

政変体制の破綻
福原への天皇連行/高倉の死・後白河の復帰/後白河の権威(1)/後白河復帰の影響/清盛の死

坂東武士の向背
治承三年十一月政変の衝撃/足利氏(藤原姓)の場合/三浦氏・千葉氏の場合/情報と判断

挙兵を支えたもの
頼朝の器量/反平家行動の正当化/死者の檄/檄の有効性/後白河の権威(2)/鎌倉と鶴岡八幡宮


【京攻めの条件】
諸勢力の分立
一一八一年の情勢/守りの姿勢/なぜ進攻できないか/京の古代と中世/はじめての京攻め

頼朝の対朝廷工作
頼朝の評判/後白河との接触なる/戦闘の休止/年号の使い方/以仁の檄の放棄/謀反人以仁

義仲勢力の京攻めと皇位継承問題
東部戦線の静止/北部戦線の激変/平家都落ち/二勢力の違い/北陸宮擁立運動/義仲の立場/北陸宮と京攻め/頼朝の場合

頼朝・義仲両勢力の対立
朝廷と頼朝/義仲の巻返し/頼朝の三ヶ条申し入れ/義仲否定の狙い/寿永二年十月十四日宣旨/情況の悪化/頼朝勢力の進出

法住寺殿合戦
後白河と義仲の対立/後白河の挙兵/北陸宮の再登場/頼朝勢力の京攻め


【東から西へ】
一時的持久戦
福原攻め/占領地の拡大/追討戦の方針

一一八四年初頭の交渉
直接関係の成立/寿永三年二月十九日宣旨/荘園問題に関する原則/新占領地の経営方針/国務の代行/鎌倉殿勧農使/地頭問題の原点/(寿永三年)三月七日院宣/頼朝の権限と荘園領主の権限

頼朝勢力の勝利
東国勢の苦戦/屋島合戦/壇浦合戦

義経挙兵事件の謀略
事件の概要/挙兵の経緯/後白河の立場/頼朝追討宣旨の見方/藤原兼実の場合/頼朝の挑発/仕掛けられた罠/奥州への野望/奥州藤原氏の服属


【守護・地頭・兵粮米問題】
対朝廷交渉の開始
朝廷に対する攻勢/西国の戒厳体制/史料一覧表

守護について
惣追捕使存廃の経過/守護配置地域の範囲/西国東辺地域について/鎮西奉行人の設置/守護制度の成立

地頭について
文治元年十二月六日宣旨/地頭問題の核心/守護との関係/九州における範頼の活動(1)/九州における範頼の活動(2)/十二月六日宣旨一考

兵粮米について
西国遠征費の補償/兵粮米・諸国済物未納分の免除


【朝廷と幕府】
義経事件の責任問題
後白河の摂政更迭工作/後白河に責任なし/スケイプゴートの役回り/頼朝と後白河の綱引き

貴族社会と頼朝
藤原兼実の宿願/基通摂政・兼実内覧案/頼朝の基本的態度/議奏公卿について/兼実の摂政就任

東国に生きる
幕府の自立/幕府は後白河に直属する/幕府は天皇を護り朝廷を支える/主従制の確立/西国における主従制/東国の住人頼朝/頼朝の上京/頼朝の遺産

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担当編集者より

連行と監禁を繰り返された帝王・後白河、日本史上初となる源義仲の「京攻め」、不可侵だった皇位継承問題への武士の介入……。未曾有のパラダイムシフトが次々と起きた1180年代内乱期。源頼朝は、朝廷との類稀なる交渉力と的確な情勢判断によって勝ち抜く。そして頼朝の成功は、中世の朝廷・幕府体制を形付けた――。常識や定説を疑い、緻密で論理的な史料解釈から、全く新しい頼朝と鎌倉幕府の実像を明らかにした名著です。

著者

河内 祥輔

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