世界に冠たる傑作機――零式戦闘機。中国戦線での華々しいデビューから大戦末期の特攻出撃まで、一戦闘機と7人の搭乗員がたどった戦史は、大戦の真の姿を語ります。
零戦で一番乗りを目指した真珠湾攻撃当時は、空母「加賀」戦闘機隊先任分隊長。航空参謀・源田実の秘蔵っ子として、世界第一級と折り紙をつけられた第一航空艦隊搭乗員の中でも、花形分隊長の一人でした。しかし、長い戦歴のなかで忘れがたい出来事とは――自らの不用意な一言で死なせた、愛すべき部下。掩護に当りながら、一瞬の隙をつかれて全滅させてしまった味方爆撃隊。戦後は警察関連企業の社長に就任しましたが、追憶はいつまでも辛く、重いものだけが残るのでした。
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