本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
祝・8.11! 人々を癒し、時に脅かす“山”を読む【山の日まとめ】

祝・8.11! 人々を癒し、時に脅かす“山”を読む【山の日まとめ】

文:「本の話」編集部


ジャンル : #小説 ,#エンタメ・ミステリ ,#ノンフィクション ,#随筆・エッセイ

ノンフィクション・エッセイ編

心身を病んだ芥川賞作家が、山で考えたこと

『山行記』 (南木佳士 著)

発売日:
文庫 2016年05月10日

 芥川賞受賞の翌年、心身を病んだ作家兼医師である著者が50歳から始めた山登りを綴り、月刊誌「山と溪谷」で共感を得た山紀行です。どんな精神安定剤よりも、山々が抱く樹木の香りが精神の安定に寄与してくれることを知り、健康のための低山歩きだったはずが蓼科山、浅間山から、ついには槍ヶ岳、白峰三山といった南北アルプスの高峰へ――。

『草すべり その他の短篇』など、山にまつわる珠玉の小説とともにぜひお楽しみください。

■解説(本の話WEB 2016.05.19)
山を歩くことの歓びとは? 市毛さんが共感した理由。(文:市毛良枝|俳優)


熊と人間の不幸な事故はなぜ起こるのか?

『慟哭の谷 北海道三毛別・史上最悪のヒグマ襲撃事件』 (木村盛武 著)

発売日:
文庫 2015年04月10日

 8名もの人が亡くなり、獣害史上最悪と言われる「北海道三毛別(さんけべつ)羆事件」。冬眠しそこねて“穴持たず”となり凶暴化したヒグマは、開拓地に入植した村人たちを次々と牙にかけていきます。約30名もの事件生存者・関係者から話を聞き、この事件の全貌を生々しく描き出す戦慄のノンフィクションです。

 秋田県で起こったツキノワグマによる獣害事件も記憶に新しい今、山で暮らす生物・動物たちといかに共存していくか――改めて考えさせられる1冊です。


国民栄誉賞を受賞した不世出の冒険家の人生

『植村直己・夢の軌跡』 (湯川豊 著)

発売日:
単行本 2014年01月28日

 日本人初のエベレスト登頂、犬ぞりによる北極圏1万2千キロ走破、北極点単独行とグリーンランド縦断――数々の偉業を達成した植村直己さんが、マッキンリーで消息を断ったのは1984年のこと。本書は、文藝春秋の元編集者・湯川豊氏による伝記です。

 自著をはじめ、伝記・評論も多く刊行されていますが、本書は植村さんの活動を支え、夢を共に追い続けてきた著者にしか書けない知られざるエピソードが満載。その人生を多面的に切り取り、稀代の冒険家の光と影の部分を鮮やかに浮かび上がらせます。

■書評(本の話WEB 2014.01.29)
冒険家・植村直己の魅力と本質にもっとも迫った1冊(文:齋藤海仁│編集者)


山での危機から得た教訓で、がんと闘う登山家

『それでもわたしは山に登る』 (田部井淳子 著)

発売日:
単行本 2013年10月10日
文庫 2016年04月08日

 女性として世界で初めてエベレスト登頂に成功したことで知られる田部井淳子さん。出身地・福島の応援活動中の2012年、医師からがんで余命3カ月と宣告されます。しかし落ち込むことなく、抗がん剤の副作用で足がしびれても、点滴の合間を縫って山へ向かう日々を送ります。

 山とともに歩んだ人生を振り返り、山で得た教訓をがんとの闘いにどう活かしたのか? “がんになんて負けられない!”と、勇気と希望をもらえる1冊です。

■書評(本の話WEB 2013.10.30)
登山家、がんという難ルートを歩む(文:北村節子|元・読売新聞記者、元・女子登攀クラブ)


生と死の境目で見た、探検家のオリジナルなものの見方

『探検家の憂鬱』 (角幡唯介 著)

発売日:
単行本 2012年07月23日
文庫 2015年05月08日

 大宅賞作家にして、いま最も期待される探検家の初の冒険エッセイ集。雪崩に3回生き埋めになったほか、死を意識する場面に何度か遭遇したものの、それでも「生のぎりぎりの淵をのぞき見ても、もっと行けたんじゃないかと思ってしまう」と語る著者が、探検家としての性とジレンマを描き尽くしています。

 極限状況において、自らに問い続けた果てにしぼりだされた珠玉のことばをお楽しみください。

■自著を語る(本の話WEB 2012.08.10)
探検の現場で感じる生感覚を言葉にしたエッセイ集

 

実用編

春夏秋冬、野へ、山へ――自然の中で遊ぶ、食べる

『外あそび&外ごはんをはじめよう』 (noyama 著)

発売日:
単行本 2014年04月15日

 山に興味はあるけど、まずは「気軽なアウトドアをはじめたい」という人におすすめなのが本書。雑誌や書籍、イベントで、自然やアウトドアを楽しむ提案を行う女性4人組ユニット・noyamaが提案する「外あそび&外ごはん」は、本格的でありながらもほどよくゆるくて、いつでも美味しいのが魅力です。

 前半ではハイキングやキャンプにおける道具、持ち物、服装といった基本的なルールを、後半では季節ごとの楽しみ方、外ごはんレシピを紹介。身近な自然の中で、心も体もお腹も満たされてみませんか。

■CREAおすすめ書籍(CREA WEB 2014.05.08)
“山ガール書店員”がすすめる入門書(文:安田有希│書店員)

■自著を語る(本の話WEB 2014.04.25)
週末、自然の中で過ごしたい人へのレッスンブック


これから登山を始める人のための入門書

『山で失敗しない10の鉄則』 (岩崎元郎 著)

発売日:
新書 2011年05月20日

 たびたび到来する登山ブーム。若い女性から中高年まで裾野は広がっていますが、残念なことに事故もあとを絶ちません。

 月刊文藝春秋で連載されていた「悠々山歩き」を大幅に加筆し、準備、技術、危機回避法など、安全に山を歩く智恵が満載。著者が独自に選んだ「中高年の日本百名山」も収録されています。

■自著を語る(本の話WEB 2011.05.20)
山はディズニーランドではない

プレゼント
  • 『グローバルサウスの逆襲』池上彰・佐藤優 著

    ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。

    応募期間 2024/4/19~2024/4/26
    賞品 新書『グローバルサウスの逆襲』池上彰・佐藤優 著 5名様

    ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。

ページの先頭へ戻る