発売月を選択
十年前に離婚した夫が、再婚して子供までいると聞いた女は、歳下の愛人を連れて、元の夫が住んでいる街を訪れた。表題作以下八篇
隠蔽された化学兵器。先住民族の復讐。ドイツ統一で蘇る殺人。混迷の旧ユーゴの子供たち……。冷戦後の世界の傷痕を描く問題作!
模型、イラスト、絵コンテ、マケット…SFXの魔術を支えたモノ、もの、物があふれだす。ルーカス映画の“理力”を大解剖する写真集
昭和天皇の最後の侍従を務めた著者の、吹上御所の思い出。昭和天皇の植物観察を軸に、学者らしい几帳面な素顔を、日記形式で描く
様々な職業人の東西交流物語、国際コンクールで審査員を務めた名ピアニストが語る文化交流の現状など国際化最先端をレポートする
僕は四年生、和菓子屋の一人っ子。ある日、遠くに住む従妹がきて僕の妹になった。心中複雑だ。昭和三十年代を呼びもどす長篇小説
田中金脈、ロッキード、ダグラス・グラマン、リクルート、佐川問題に通底する腐敗の構造。著者の言論はこの巨悪にいかに抗してきたか
死の直前に訪れる「仲よし時間」に人は何を語ってゆくのか。人は今終ろうとしている自分の人生に対して総てを語ってゆきたいのだ
中東和平への道をますます複雑にしているアラブの(?)悪名高い殺し屋アブ・ニダルと謎の組織をあばくスリリングなドキュメント
万葉集一のプレイガールは誰? ナンバー2タイプの大物・天武天皇、大津皇子と草壁皇子の恋のさやあて……万葉集に登場する紳士・淑女の素顔をいきいきと描き出す興味深い人間研究。
自動車泥棒のスティックがふとしたことから組んだ相棒は「成功と幸福をつかむための十則」なるものを編み出して、武装強盗を天職と心得るつわもの。「十則」の効験はいかに?
敗色濃い戦局の中、懸命の奮闘を続ける零戦パイロットと技術者たち。日米両国での取材と新資料で今次大戦を描く渾身の力作完結篇
キャサリンと狩矢警部が活躍する二篇と看護婦・戸田鮎子と新聞記者・田原陽一シリーズ二作が合体。「流れ橋殺人事件」「竜の寺殺人事件」「閉ざされた声」「不倫の代償」収録。(片岡秀太郎)
中国の奥深くへ旅した日本人商社マンは、いつのまにか五千年の歴史をもつ「桃花源村」すなわち「桃源郷」に足を踏み入れていた……。芥川賞受賞作に「犬かけて」を併録。(千石英世)
月曜日ごとに爆発物が仕掛けられる。送られてくる謎の予告状は何を意味しているのか? 表題作ほかトラベル・ミステリーの傑作を三篇収録。——次の月曜日に事件は起きる。(山前譲)
父よ。昭和生まれの父よ。後めたく、どこか居心地のわるい父よ。戦後のおおいなるサラリーマン化時代は、かつての父の像を霧消させたのか。同時代人へ含羞こめて捧げる好エッセイ!
単身赴任に始まる六年の別居生活。「自由になりたい」という夫の言葉を拒み続けた妻が、なぜ突然、離婚に合意したのか。女性の心の葛藤を巧妙な筆致で描く法廷恋愛小説。(藤堂志津子)
英仏連合軍が62万の犠牲者を出したソンムの激戦。毒ガスと火焔放射器に銃剣で立ち向かう日々に、サスーンと名のるイギリス人に見せられた「戦場詩集」に感銘を覚える。(多島斗志之)
ドイツ軍の捕虜となったインディは、脱走常習犯のための特別収容所、ドナウ河中の通称“魔女の牢獄”に閉じこめられる。そこで出会ったドゴールと決死の脱出をはかる。(多島斗志之)
女性週刊誌五つの秘密、アグネス論争、吉本ばななはうまい、恐怖の句会初体験などなど。明るい不満分子・中野翠が“偽天国”ニッポンを斬りまくり、軽やかに飛ぶ啖呵エッセイ。
(風の巻を参照)
日常に潜む恐怖を描いた山岸凉子、ささやななえ、諸星大二郎らの傑作短・中篇を柱に、和田誠らによるブラックユーモアの名コママンガ、「日本の恐怖映画ベスト10」他の好読物も収録。
江戸小伝馬町牢獄づめの立花登は医学のかたわら起倒流柔術をおさめる青年獄医。獄舎の内外の多彩な人間模様をえがく好評シリーズ
ロシアのステッセル将軍から乃木将軍に贈られたとされるピアノの数奇な運命と“伝説の誕生”の謎を追う、作家デビュー初の書下し
数百万年も埋もれていた巨大な宇宙船が町を、人を脅かす。“進化”の名のもとに彼らが行きつく先は…。
新興宗教問題、りえ貴騒動にひらめく直感、わき出る言葉。「ロイヤル・ウェディング」に関する二つの感想も加え鬼に金棒の九冊目
原爆と特攻がなかったら太平洋戦争はどうなっていたか? 両者の史実を並行的にたどりながら、終戦までの経緯を新しい視点で描く
プロ、アマを問わず、一年間に発表される膨大なエッセイの中から洗練され、滋味豊かな短文の粋ばかり六十二篇を集めたアンソロジー