作品
かつて日本人の暮しの中にあった教養、所作、美意識などは、いまや跡かたもない。独得の美意識「粋」を育んだ花柳界の百年の変遷を手掛りに、亡びた文化とその終焉を描く。(松山巖)
著者が直に見聞した岩波ほか様々な版元・出版人や電通・東日販など関連業の浮沈盛衰から功罪までを犀利な筆で描いたベストセラー
芸術家として新機軸を打ち出したいと希いながら、無軌道な愛欲と放浪の果てに挫折した武林無想庵。その破天荒な生涯を愛惜の念をこめて描いた読売文学賞受賞の傑作評伝。(佐伯彰一)
反体制進歩派の蒙を嗤い、役所や銀行・保険会社の嘘を衝き、日本の社会・文化の軽佻浮薄を一蹴。爽快にして深遠なコラム五十八本収録
既刊コラム全25冊から警句名言を選り抜き1冊にまとめる。熱狂的な夏彦信者には有難い経典として、入門者にはこれ1冊で全て早わかり。
「正義は我にあり」風な大新聞の相も変らぬ紙面を痛烈に嗤いのめした表題作ほか、思わず膝を打ちたくなる超辛口エッセイ五十九篇
何年にもわたる癌との闘いのはてに亡くなった夫人のことを綴って惻々たる「みれん」「理解なき妻」ほか、「文藝春秋」巻頭随筆で好評を博した珠玉のエッセイ四十八篇。(植田康夫)
終戦このかた「戦前は真っ暗な時代だった」と説かれてきた。果してそうなのか? 当時の日記を引きつつ、巷間に流布する「戦前」観の虚偽を鮮やかに衝く表題作ほか十五篇。(石堂淑朗)
漢籍の教養から美意識、家事、所作まで、かつて日本人の暮らしの中にありながら今や亡びた文化を、それを支えた人々を通して描く
無軌道な愛欲と放浪に生きた作家武林無想庵の生涯と彼と行動を共にした著者自身の青年時代を描いた半自伝的評伝。読売文学賞受賞
「文藝春秋」の名物・巻頭随筆欄の殿をピタリと締めてきた珠玉のエッセイ四十八篇。辛辣にして爽快、俗にして深遠な夏彦節の真骨頂
冷暖房のない著者の会社のつつましい様子を軽妙な筆致で描き、「人の和は貧乏している時のほうにある」と結ぶ表題作のほか、真の常識とユーモアの横溢する珠玉のエッセイ集。
戦後教育では「戦前は真っ暗な時代だった」と教えている。果してそうか? 切れ味抜群、“夏彦節”の醍醐味が横溢するエッセイ十六篇
※未刊行の書籍は、刊行予定が変更になる場合があります。