作品
将軍継嗣問題のしこりから、八代将軍吉宗と尾張中納言宗春はことごとく対立した。綱紀粛正し倹約を説く吉宗を嘲笑うように遊興にふける宗春。その豪胆奔放の果ては?(磯貝勝太郎)
西洋化への時流にかたくなに抵抗する薩摩の島津久光の性格をあざやかな筆致でとらえた「殿様の限界」など、幕末から源平まで歴史のこぼれ話を縦横無尽に語るエッセイ十五篇を収録。
よく知られた松の廊下の刃傷事件から、吉良邸への討入りまでにはいまだに数多い謎がある。無類の歴史通が幾多の傍証をあげ、推理し、うんちくを傾けた抜群におもしろい「義士」論。
西郷隆盛を失脚させたのは、大久保利通の誰にも気づかせないほど巧妙な計画によるものである……歴史に深い造詣を持つ筆者が史実をもとに思考をめぐらせた興味津々の話を満載。
宮本武蔵は本当に強かったのか。国定忠治は最後はメカケにも愛想をつかされてしまった……など、無類の歴史好きが史実のうらにひそむおもしろい話をふんだんに語る。(瀬戸口忍)
楚の国の絶世の美女・夏姫は、多くの男に愛されたが、なぜかいつも災いが。中国を舞台にした短篇集。「妖艶伝」「遥州畸人伝」「美女と黄金」「蘭陵の夜叉姫」他五篇収録。(磯貝勝太郎)
上杉謙信は高血圧で武田信玄は低血圧だった。豊臣秀吉は成功者なら誰でもする少年時代の苦労話をなぜしなかったかなど、歴史通の著者が披露する楽しい歴史裏話がいっぱい。
西南戦争に材をとった短篇集。表題作は激戦地・田原坂で、一族が敵味方にわかれて戦う悲哀を描く。「田原坂」「南風薩摩歌」「柚木父子」「風塵帖」「黄昏の丘」他五篇収録。(尾崎秀樹)
天下人豊臣秀吉を相手に一歩も後へ引かなかった誇り高き千利休を中心に、北政所と淀殿、石田三成、利休の娘お吟らの対決を描いた、緊迫感あふれる歴史長篇。(磯貝勝太郎)
老公重豪と英才斉彬の確執、お由羅騒動、将軍世子問題など、維新前夜の疾風怒濤の時代を、若き斉彬と隆盛のふれ合いを軸に描く歴史評伝。鋭く剔抉された隆盛の実像。(磯貝勝太郎)
源頼朝、義経、西郷隆盛、勝海舟――人の褒貶は棺を蓋っても定まらない。時の流れの審問を経れば勝者も敗者もひとしく美しく懐しい。透徹の史眼で縦横に語る著者の小説と随想集。
朋友あい撃つ伏見・船宿の二階、君命は信ずる理想より重いとする薩摩男児の悲劇。幕末維新史を複雑怪奇にしている寺田屋騒動を、透徹の史眼で明快に分析した傑作。(磯貝勝太郎)
文治派石田三成、小西行長との宿命的な確執、大恩ある豊家危急存亡の苦悩——英雄豪傑の象徴のように伝えられるこの武将の鎧の内にあった人間の素顔を剔抉する傑作歴史長篇。
秀吉側近第一の武将、英雄豪傑の代名詞のような清正の素顔。特に石田三成との確執、苦悩を描く巨匠海音寺のかくれたる傑作初刊行
天下を制覇し、治国の実をあげた日本の代表的名将十二人の風貌を、歴史文学の巨匠が雄渾の筆に把え、人事・経営・軍略の秘訣から、人生百般の知恵に説きおよぶ決定版名将列伝。
破竹の勢いの信長も本能寺に斃れた。主君の死に接した秀吉は心からの解放感を味わい、遂に天下を手中におさめる。が、栄華に飽きたらぬ秀吉は朝鮮に矛先を向けた
(三を参照)
尾張の鉄砲足軽の息子で「猿」と呼ばれる与助が、織田家の小者から身をおこし、太閤秀吉となるまでの一代の英雄記。海音寺史観とユニークな人間観察で痛快に描く長篇大河小説。
(一を参照)
※未刊行の書籍は、刊行予定が変更になる場合があります。