作品
行き場を失った男たちの駆け込み寺となった津和野の尼・香順の庵。謎の大金を元手に規模拡大を計る彼女は稀代の詐欺師か救世主か
平凡で退屈だった夫の隠された過去を知り、妻は死んだ夫に初めて興味を抱く。二十年後、息子は父と酷似した人生をたどる。歪んだ母子関係の果てに繰り返される悲劇。(香山二三郎)
(上を参照)
妻と別れる方法は離婚だけではない。情事を仕向け、妻を追い込んで自殺へと誘導する男の心理を描いた表題作など四篇。「今夜だけ」「午後だけの島」「山雀」収録。(綾部伴子)
妻の前夫を披露宴に招んだ夫、同じ香りの二人の女性と関わる男、亡妻を巡る二老人の会話等、激しい愛情を物静かに綴る短篇小説集
渡世の世界に生きる男と女の切ない想いを、男の背中の未完の刺青に託して綴る表題作など五つの愛の物語。「微笑みの秋」「カイン」「選ばれた女」「翼だけの鳥たち」収録。(田中洋子)
上司の妻と通じた会社員、婚約解消を言いだせず形だけのハネムーンに出かけた二人など、珠玉の十篇。「組歌」「裏木戸」「かたすみの椅子」「淡味の蜜」「空き部屋」他五篇収録。(植村修介)
さまざまな情事を設定することにより、妻を自殺へと導く男の奇妙な心理を描く表題作ほか、男女の関係をミステリアスに描く短篇集
由子の前では優しく、美代子の前では野性的に振る舞う奇妙な二面性を持つ男・岩谷。美代子の愛が燃え上がる時、事件は起こった。表題作ほか、「写し絵の女」「植民地の女」収録。(山岡聡)
美貌の妻をもつ高名な彫刻家が殺された。息子は、父を殺し母と交わったオイディプス王の轍を踏んだのか。そして母の思惑は? サスペンスあふれるミステリー。(香山二三郎)
見知らぬ男と後妻になるホステス、昔の恋人と再会するやくざなど、下町で暮らす男女の思いを描く珠玉の作品集。「日曜日」「裏町」「母の手紙」「街角」「一夜」他五篇収録。(岸田理生)
戦後の混乱期、下宿業をしていた著者の実家に身を寄せていた娼婦たちの横顔点描から、作家論、映画論まで。人気作家が創作の舞台裏を初告白したエッセイ集。(中村康生)
二重人格の男は、由子の前ではあくまで優しく、美代子の前では常に野性的に振舞った。相反する愛の形を見据えた話題作他二篇収録
五つの難事件に立ち向かうのは、モッサリ男で一文なしの田沢軍平クン。この軍平クン、なぜかモデル、女医、人妻からホステス、不良少女にまでモテモテ。傑作ユーモア・ミステリー。
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