作品
手形を奪われ、さらに妾に逃げられた信太郎の義兄・庄二郎。信太郎も勘当中の身で子供ができてしまい……。好評シリーズ第二弾
許嫁だったおすずが賊に襲われて自害した。自責の念を抱えながら、信太郎は賊を追う——。中山義秀文学賞受賞の珠玉の短篇連作集
おぬいが女の子を生んだ。信太郎は勘当の身でありながら、父親になったのだ――。「おすず」「水雷屯」に続く好評シリーズ第三弾
義兄の妾さわぎに驚かされた信太郎だが、水雷屯――多事多難の卦は信太郎にも当てはまりそうだった。おぬいがやや子を宿したのだ
「一度だけ」と身を投げ出したおすずを信太郎はやさしく諭した。そのおすずが襲われ、自害して果てた。信太郎は盗賊一味を追う
築地の旅籠で女一人男二人の心中と思われる死体が発見された。新聞社の探訪員と犯人探しに乗り出した元旗本の過去が明らかに……
明治初期、自分の小指を切りおとすほど、激しく、したたかに生きた遊女の半生を描く「妖花」と「朱唇」「夕化粧」「出陣」「疑惑」「げんまん」など六篇の作品集。(北原亞以子)
築地の旅籠で元士族、板前、飲み屋女将の死体が発見された。死因は青酸カリによる毒殺。新聞社探訪員と元旗本が犯人探しに乗り出す
旗本から落語家となったが、江戸市中の寄席に火薬を仕掛けた三笑亭可楽を描く表題作と、彰義隊から落語家になった三遊亭遊三を描く「ふらふら遊三」を収めた異色作品。(吉田伸之)
祖父、父と三代にわたって、「江戸名所図会」を著わした斎藤月岑は、江戸最後の名主でもあった。表題作のほかに、デビュー作である「男の軌跡」を収録する力作。(縄田一男)
最後の木版浮世絵師といわれた光線画家・小林清親の波瀾に充ちた半生と江戸から明治に移りかわる風俗、庶民の生きざまをあざやかに描いた第百回直木賞受賞の長篇。(田辺聖子)
百四十数点の絵を残し、わずか十カ月で消え去った写楽。蔦重、京伝、歌麿、蜀山人……天才異才総登場の天明寛政の江戸に写楽の正体を追い求める直木賞作家の野心作。(解説・白石一郎)
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