作品
八百屋お七が起した江戸の大火は、ある者の恋を奪い、ある者の人生を変えた……。博覧強記の修験者・隠々洞覚乗の見聞きした様々な人々の運命を描く連作短篇集。(神谷次郎)
京都二条城の金蔵が破られ、老中昇進を目前にした堀田相模守は犯人探しに必死になるが。「眠れドクトル」「雪中松梅図」「やどかり屋敷」「そばの花」「蚤さわぐ」他二篇収録。(神谷次郎)
大都会江戸で、お上から下々まで目下の悩みは大量のゴミの処理である。ゴミをめぐる様様な事件をユーモラスに描く連作歴史短篇集
魔性の鰻に祟られた狂言作者の恐怖を描く表題作他江戸期に材をとった時代小説集。「娘ふたり」「残り香」「河内山宗春という男」「あべこべ物語」「鶴屋南北の死」他三篇収録。(山村正夫)
男達が下す決断が歴史を変えた。好機を掴んだ者、失敗した者……足利義政、明智光秀、伊達政宗らの行動から学ぶ、興味深い人物論
三百年の政権を残照の美しさの中で終わらせるべく努力する最後の将軍徳川慶喜の苦悩。「乾いたえくぼ」「蛇」「三つぼくろの男」「鳥獣戯画」「癖馬」「残照」「影絵」他二篇収録。(神谷次郎)
和泉式部、空海、最澄、信長、秀吉等々、古代から近世まで、正当な評価を歪められてしまった人たち、逆に過当な評価を受けている人たちの真の姿を探る興味深い人物評論。(神谷次郎)
長屋王一族の滅亡から大仏開眼に至る四半世紀は、蘇我氏系の女帝から藤原氏へ権力が移行する歴史の転換期であった。激動の時代を描く歴史ロマン。女流文学賞受賞作。(磯貝勝太郎)
(上を参照)
赤貧洗うがごとき貧乏旗本に娘の縁談と昇進話が一度に舞い込んだ。江戸に生きる人々を描く。「墓石を打つ女」「菜摘ます児」「冬の蝉」「ゆずり葉の井戸」「嫦娥」他三篇収録。(山村正夫)
奈良時代を背景にして、政争に明け暮れる皇室から庶民の暮らしまでを生き生きと描く雄大で波瀾万丈の歴史ロマン。女流文学賞受賞
明治を舞台に、福沢諭吉の次女・房子とその夫で実業家の福沢桃介を中心に、川上音二郎、貞奴らの織りなす人間模様。激動の時代を背景に展開する波瀾万丈のドラマ。(武蔵野次郎)
庶民から天下人にまで登った豊臣秀吉の陽気さの裏にこの一族に流れる残忍な血脈があった。空前の栄華の一部始終を見とどけた秀吉の姉ともの目を通して豊臣家の栄光と悲惨を描く。
身分の低い侍がたまたま芝居の世界に興味をもち、ついに日本文学史に残る不滅の浄瑠璃作者・近松門左衛門となった。大胆な想像力を駆使して近松の人間像を描き上げた長篇。
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