作品
貧乏旗本のところへ、娘の縁談とわが身の昇進話が飛び込んでくる。表題作ほか、江戸のさまざまな表情を捉えた粒揃いの短篇全8篇
若葉の日光、那須の風、月の松島、雨の平泉、夕暮の山寺、最上川の流れ。練達の著者が芭蕉の足跡をたどった、情趣あふれる古典紀行
天皇家を利用して政権の全てを掌握しようとした藤原氏。一門の女として怜悧に全てをみつめ、充実の生を送った淑子六十九年の生涯
父に疎まれ望郷の思いの中で病歿したヤマトタケル、政敵に追われた菅原道真、汚名を辞さず捨て石となった本多正純らの数奇な人生
世界有数の大都会江戸、お上から庶民まで共通の悩みは、大量のゴミの処理だった。「くくり猿」「瓜長者の野望」「苦笑仏」「春のうららの十万坪」「芝浦海戦記」他二篇収録。(縄田一男)
村を通りすがった有為の若者。危難を顧みず渡唐の志を語る少年の顔は街道の夕映えに溌溂と輝いた。天平を舞台に人間を描いた短篇集
庶民から天下人にまで登った豊臣秀吉の陽気さの裏にこの一族に流れる残忍な血脈があった。空前の栄華の一部始終を見とどけた秀吉の姉ともの目を通して豊臣家の栄光と悲惨を描く。
選考の当日を忘れていた直木賞、その後の苦節の日々等、小説家の意外な素顔をのぞかせるエッセイ集。旅を楽しみ春秋の想いを綴る
夢見る女、サディスト、呪う女、狂う女など、能に登場する女たちをとりあげて物語や舞台を解説し斬新な視線でその心理を洞察する
毛利元就が天下を取ったら、日本の女性史は変わっていた? 歴史の定説に新しい光を当て、男性史観に新風を吹きこむ二作家の座談集
信長、秀吉、家康、明智光秀、赤穂浪士、勝海舟、松尾芭蕉…約40通の書簡に平易な解釈とエピソードをそえて紹介。楽しい歴史読物
華奢な外容の下に、冷酷な本性を秘めた天智天皇。彼は天に叛いて実妹・間人を愛し、弟の妻・額田女王を奪った。鞍作暗殺から崩御までの濃密な人間模様を描く古代短篇集。(清原康正)
愛妻家の毛利元就が天下をとれば日本の女性史はどうなっていただろう? 歴史小説の第一人者である二人が埋れた史実を縦横に語る
時代小説家の著者にとって、無二の友である「江戸名所図会」。そこに登場する日本橋、隅田川など約三十カ所を訪ね、時を超えて現代の東京に息づく「図会」の世界をとらえたエッセイ集。
妾のたたりか、花形女形、岩井半四郎が怪死。その後も奇怪な事件が大和屋を襲う……。「かえる役者」「祇園ぎつね」「団十郎の死」「手前味噌」「虚空を風が吹く」収録。(神谷次郎)
若年ながら包容力のある庄右衛門。男気で人を集める清右衛門。二人を玉川上水開鑿に駆り立てたものは何か!? 多くの困難を乗り越え、江戸に命の水をひいた兄弟の感動巨篇。(清原康正)
華奢な外容の下に、冷酷な本性を秘めた天智天皇。鞍作暗殺からその崩御までの、彼をめぐる濃密な人間模様を描いた傑作古代短篇集
北条時頼、毛利元就、明智光秀、伊達政宗ら、十二人の歴史上の人物をとりあげ、彼らのさまざまな“決断”の形を浮かび上がらせる。現代を生きるための、示唆に富んだ歴史人物論集。
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