作品
マニュアルは十七世紀に書かれた技術の百科全書『天工開物』ただ一冊あるのみ。中国伝統の技を現代日本に伝える、ある老後の実践
一九八九年六月、北京を訪れた著者は天安門事件に遭遇、救援機で帰国して程なく心筋梗塞に襲われた。死の淵から生還し、二年間の入退院の日々に生起した大事小事を克明に写した記録。
天安門事件に遭遇、救援機で帰国直後に心筋梗塞を起こし、心臓の三分の二を壊死させた著者が書下した北京より始まる克明なる記録
気まぐれな酔客の子を授かった花街茶屋のかつ江など、古都の女たちの哀歓をしっとりと綴る佳品集。「出町の柳」「八瀬の片しぐれ」「高瀬川冬」「賀茂の蜩」「たんぽぽ」「高野川桜堤」収録。
水上文学の傑作を彩った多くの女人たちとめぐり会った日々を回想して、愛と憎しみのかたちを再現する。永い歳月のフィルターを通して、愛惜と悔恨がこもごもに浮かぶ。(鶴見俊輔)
生みの母のぬくもりを知らぬおきんは健気に生きてゆくが、その美貌ゆえに次々と男たちの慰みものになる。悲しい運命に翻弄されながら、意地を貫くひとりの女の生涯を哀切に描く。
第一部「雁の寺」につづく「雁の村」「雁の森」「雁の死」の四部作に加筆して収録。著者の怨念と濃密な私小説的リアリティによって、純文学の域に達したミステリー連作。(野口冨士男)
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