作品
後醍醐帝、楠木正成、足利義満など、平安から室町にかけて、歴史の流れを変えようともがきつづけた「主役」たちの哀歓を、著者ならではの鋭い史眼で生き生きと描いた歴史エッセイ。
大国にはさまれて圧迫される中国地方の小国主は、明るい妻に励まされて次第に本領を発揮し、戦国乱世を生きぬいていく。歴史長篇
われらがヒーロー義経は反ッ歯の小男、黄門サマの諸国漫遊なんて大ウソ!? おなじみの歴史的人物の意外な一面を暴く痛快エッセイ
築地の破れめから往きあう隣家の人妻との密通が幕府をゆるがす事件に。平安後期から鎌倉期の人間模様をいきいきと描く魅力の八篇
日本史上有名な男達へ「亭主」としての評価を加えてみれば、彼らの人物像は変わるだろうか!? 五十人それぞれの夫や父としてのエピソードをもとに、一歩踏み込んで歴史に迫る好著。
出戻りのみつは兄の知人と名乗る久兵衛と仏師の卯助を泊めるが、世間に贋札が出回って……。「長崎犯科帳」「みのむし」「死ぬということ」「青苔記」「応天門始末」他二篇収録。(縄田一男)
万葉集一のプレイガールは誰? ナンバー2タイプの大物・天武天皇、大津皇子と草壁皇子の恋のさやあて……万葉集に登場する紳士・淑女の素顔をいきいきと描き出す興味深い人間研究。
江戸期、野心に溢れながら挫折し、逃亡の身となった一儒者の青春から晩年を、その時どきに傍にいた女たちの目で描く連作時代小説
運命を賭け、夫・大海人皇子と共に吉野へ向かった持統女帝。木曾の風雲児義仲と巴御前の逃避行。後深草院との愛に破れ、感傷旅行に出た二条。五人の女たちの旅のドラマを探る。
天智帝のひめみこ山辺は皇后の座にいま一歩で……古代朝廷に渦巻く熾烈な権力争いと恋の顛末。「裸足の皇女」「殯の庭」「恋の奴」「黒馬の来る夜」「水城相聞」他四篇収録。(磯貝勝太郎)
中国地方の小国城主毛利元就の許に鬼吉川の娘が輿入れした。明るい妻に励まされながら戦国乱世を生きぬく元就を描く長篇歴史小説
(上を参照)
歴史につきものの伝説は思いがけない真実を伝えてくれるが、反面、強烈な毒を含んでいることもある。古代から江戸期まで日本史の“常識”に潜む意外な真実を探る定評ある永井意外史。
盗賊の手先の男は天女のように美しい女に出会って夢中になるが。『今昔物語』の説話を素材に、今も昔も変わらない男と女のドラマを描く、エスプリのきいた七短篇。(尾崎秀樹)
三条帝の第一皇子・敦明にはかねてより奇妙な噂が。王朝時代の華やかさとその裏に潜む暗闇を描く。「噂の皇子」「桜子日記」「王朝無頼」「風の僧」「双頭の【ぬえ】」他三篇収録。(磯貝勝太郎)
忠誠と反逆が変転し、激突する動乱の時代。後醍醐帝、尊氏、正成、義貞らの下した決断が歴史を変えていく。戦乱の文学を現代的視点からとらえ直した、闘う男たちの壮大なドラマ。
額田王、持統天皇、藤原薬子、紫式部、北条政子、日野富子、お市の方、細川ガラシヤなど日本史を華やかに彩る女たちの生き方を、著者が豪華なゲストとユーモラスに語りあう対談集。
伊豆の豪族北条時政の娘に生まれ、流人源頼朝に遅い恋をした政子。やがて夫は平家への反旗を翻す。歴史の激流にもまれつつ乱世を生きた女の人生の哀歓を描く歴史長篇。(清原康正)
七世紀後半、中大兄皇子、大海人皇子ら一族入り乱れる凄絶な権力争いの波間に漂う、皇女山辺の運命は。古代に材をとる力作小説集
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