作品
女から敵討ちを頼まれた男に平蔵が助太刀を申し出て意外な事実が判明。「げに女心は奇妙なものよ」と、さすがの鬼の平蔵も苦笑い
仇討は単なる復讐ではなく武士世界の掟であった。その突発的事件にまきこまれた人間たちののっぴきならない生きざま。討つ者も討たれる者も共にたどるその無残で滑稽な人生を描く。
「雨乞い庄右衛門」「隠居金七百両」「はさみ撃ち」「掻掘のおけい」「泥鰌の和助始末」「寒月六間堀」「盗賊婚礼」の七篇。いつの時代にも変わらぬ人間の裸の姿をリアルに映し出す。
幼児誘拐犯は実の親か? 卑劣な犯罪を前にさすがの平蔵にも苦悩の色。表題作のほかに鬼平ファンの期待を裏切らぬ傑作を六篇収録
戦国時代の末期、裏切りや寝返りも常識になっていた乱世の忍者の執念を描く「首」のほか、「鬼火」「やぶれ弥五兵衛」「寝返り寅松」「闇の中の声」など忍者小説七篇の力作群。
夜ごとに〈辻投げ〉をする美しい女武芸者・留伊のいきさつを皮肉にスケッチした「妙音記」のほか、「秘伝」「かわうそ平内」「柔術師弟記」「弓の源八」など七篇を収める。(小島香)
順風満帆、着々と天下統一に向う織田信長を狙い、あらゆるテクニックを使って活躍する女忍者於蝶が信長の息子信忠に恋をした。手に汗握るサスペンス。全三巻完結
はじめて女体の歓びを教えてくれた於蝶と再会した半四郎。姉川合戦から本能寺の変に至る戦国の世に、相愛の二人の忍者の愛欲と死闘を通して、波乱の人生の裏おもてを描く長篇。
(一を参照)
青春を剣術の爽快さに没入させていた永倉新八が新選組隊士となった。女には弱いが、剣をとっては隊長近藤勇以上といわれた新八の痛快無類な生涯を描いた長篇。(駒井晧二)
「礼金二百両」「猫じゃらしの女」「剣客」「狐火」「大川の隠居」「盗賊人相書」「のっそり医者」の七篇。鬼平の心意気、夫婦のたたずまいなど、読者におなじみの描写の筆は一段と冴える。
大恩ある盗賊の娘が狙われている。密偵の仁三郎は、平蔵に内緒で非常手段をとる。盗賊上りの部下を思いやる鬼平のヒューマニズム
関ヶ原の戦いに死んだと思われていた忍者丹波大介は雌伏五年、傷ついた青春の血を再びたぎらせる。家康の魔手から加藤清正を守る大介と女忍び於蝶の大活躍。(佐藤隆介)
(上を参照)
女房が斬られ、亭主が姿を消した「権兵衛酒屋」の謎を探る平蔵に危機が迫る。ついに鬼平は兇刃をさけ得ず倒れる。特別長篇第二弾
“鬼平”長谷川平蔵にも危機が迫ることがある。間一髪のスリルに心ふるえる「兇賊」をはじめ、「深川・千鳥橋」「乞食坊主」「女賊」「おしゃべり源八」「山吹屋お勝」ほかの七篇を収録。
吉良邸討入りの戦いの合間に、妻の肉づいた下腹を想う内蔵助。剣術はまるで下手、女の尻ばかり追っていた“昼あんどん”の青年時代からの人間的側面を描いた長篇。(佐藤隆介)
婚礼を十日後に控えた同心木村忠吾が独身最後の悪所通い。ところが妙な事件にまきこまれる。人情味溢れる鬼平の面目躍如たる六篇
白いなめらかな肌を許しながらも、忍者の道のきびしさに生きてゆく於蝶。川中島から姉川合戦に至る戦国の世を、上杉謙信のために命を賭け、燃え上る恋に身をやく女忍者の大活躍。
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