作品
「納得ずくで離婚したのに、なぜか女房のところに住み着いているのです」。男と女の世界を、ほろ苦いユーモアで描く、直木賞受賞作
深刻ぶるのはよそうぜ、とカッコよく離婚した二人なのに、なぜか、元女房のアパートに住みついてしまった元亭主。男と女のふしぎな世界を味わい深い文体で描く。(尾崎秀樹)
百太郎は天涯孤独の若者。下総の村が洪水で流され、人別帳がなくなったのを汐に江戸へ出た。幕末騒乱の時代を著者自身の原点、焼跡闇市と重ね合わせる、遺作となった異色時代長篇。
浅草六区華やかなりしころ、そこに生きたさまざまな芸人たちの自由奔放、奇妙きてれつな生活ぶりとその終焉を、深い愛情と体質的共感をこめて描く異色作。(井上ひさし)
世間という概念がぽっかり欠け、自分の基準でのみ生きた人。既成の文学通念から自由なこの作家ならではの文章世界。貴重な贈り物
日常生活の狭間にかいま見る妖しの世界——独自の感性と性癖、幻想が醸しだす類いなき宇宙を清冽な文体で描きだした、泉鏡花賞受賞の世評高き連作短篇集。(長部日出雄)
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