作品
暮らしの中で感じたことを独特の筆致で描写する「陽気なイエスタデイ」と「青春の~」「気儘な~」の三部で構成するエッセイ集
冬日和、待宵、秋出水、年の瀬……。季語を表題に短篇の名手が描く、少し不思議で少し怖い物語。歳時記を読むのが楽しくなる十二篇
小説はどのようにして生まれるのか――。その舞台裏をつまびらかにした名エッセイ、待望の文庫化。小説の読み方を変えてくれる一冊
恋、日常に潜む恐怖、家族の絆……元旦に始まり「ジングルベル」で終わる大都会に生きる人々を主人公に、短編の名手が紡ぐ十五の物語
犯罪を犯し警察に追われる放蕩息子を案じて別れた妻の家を訪れた男が見たものは、睡眠薬の瓶と電気鋸、そして大きなダンボール箱二つ……。切れ味鋭いホラー小説集。(加納朋子)
自分の病状の行く末を知るために、夫に内緒にしていた占いの本を探す妻。妻の占い好きを知った夫は……。O・ヘンリーにも似た人生の確かな手触りを感じさせる短篇集。(山崎洋子)
ふと思いついたアイデアをいかに小説に定着させるか。名作の模倣はなぜ失敗するのか。創作の舞台裏と、著者自らの小説作法を語る
チュニジアで、八年ぶりに昔の恋人と再会した男が、ローマと戦ったカルタゴの闘将ハンニバルに思いをよせながら自らの人生の分岐点をふりかえる。歴史紀行小説。(大村浩二)
テーブルの上の睡眠薬。バスルームから聞こえる水音。廊下に置かれた電気鋸。深夜、急用で前妻の家を訪ねた男が見たものは……!
「世間には眼に見えない親切がヒラヒラ飛んでいる」。やさしさは祈りにも似て静かに人々を包みこむ。短篇の名手が紡ぐ新たな世界
闇に浮かぶ小さな膝頭。願いが叶うという青いひとで。贈り物の銀色のフラスク……。都会の夜を彩る小道具に隠された静かな殺意。男と女の十の物語の幕が開く。(松島トモ子)
一夜かぎりで去っていった女が、六年後、突然電話をかけてきた。旅に連れていって欲しいという……。大人の恋愛を描く表題作と家族の機微を鋭くとらえた十二の連作短篇。(黒川千鶴)
昔の恋人と北アフリカのチュニジアを旅する主人公は、カルタゴの闘将ハンニバルに思いを馳せながら自らの人生の分岐点を振り返る
昨日ではなく今日でもない。不確かな時間が待ちうける日。それは明日。平凡な人間のいとなみに忍び寄る、思いがけない恐怖を鮮やかに紡ぎ織る連作掌篇二十話。(うつみ宮土理)
出会いもあれば、別れもある。幸せな恋、邪悪な恋、殺意に変わった恋もある。夜更けの大都会の片隅で、男と女が織りなす物語十篇
何気なく使っている言葉にも思いがけない語源がある。もっとも、中にはこじつけもある。語源の真説、虚説をユーモアたっぷりに語る。読み終わった時から、あなたはもう、言葉博士。
夜の九時から十二時まで、女は何を考え、男は何をするのか。逢瀬のさなか、見知らぬ女からかかる電話。鞄の中に眠るもう一人の恋人。都会の戦慄を洒脱につづる連作十篇。(脇田直枝)
あなたはふと、深夜に気づいたことはありませんか? 気味の悪い偶然の重なり、得体の知れない不安感。日常に潜むちょっと不気味なお話を軽妙に描く短篇九作を収録。(金田浩一呂)
偉人の事蹟収集に全力を注ぐ主人公。若くして「いかなる事情あるも他から経済的援助は受けぬ」と誓った直木賞受賞作「ナポレオン狂」のモデルの半生。著者初の長篇小説。(藤田昌司)
人生は観覧車、めぐるゴンドラ。人は他人と繋がって生きている。愛する人との出会い、別れ、憎しみ、殺人――街でくりひろげられるドラマを、ロンド形式で描く連作。(塩田丸男)
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