作品
武家の妻の淡い恋ごころを帰らぬ燕に託してえがく名品「玄鳥」をはじめ、時代小説の第一人者であるこの作家の円熟期の傑作を四篇
思い出は、トラッシュ(ごみ)のようには捨てられない。黒人の中年男に恋したココの様ざまな「愛」の形を、言葉を尽くして描く長篇
軽井沢での運命の出会いから、結婚、出産、子育て、そして姑との確執。旧華族勢力の因習の中で必死に生きた美智子皇后の女の旅路
生後まもなく取違えられた経験を持つ男が、相手の男の現在を尋ね京都から東北へ。いつしか自分でも思いがけぬ生き方を始めていた
当世流儀のうつろいやすさ、女子供の正義、マスコミの虚妄。さしさわりのあるはなしを敢えて口にする、シャイで不屈な好エッセイ
出かけてみれば日本中愛すべき奇人だらけ。山形の神サマを訪ね、通勤王と“同伴通勤”、埋蔵金の埋まる山へ登り、番台へもよじ登る
戦後四十年、マンガは独特なジャンルとして定着した。『ちびまる子ちゃん』から『沈黙の艦隊』まで、現代マンガの到達点を検証する
似ているようで似ていない、似ていないようで似ている英国と米国。両国の機微の違いを通して“人間らしい社会”のあり方をさぐる
デュシャン、ピカソ、クレーらとの多彩な交遊、劇作家ベケットとの恋、ペギー・グッゲンハイムの生涯は現代美術の一大パノラマだ
チベットの山中。ハゲワシに人の死体を処理させる現場に立会ってからというもの、毎夜夢に現れる奇怪な光景。表題作以下八篇収録
陸一心――日本人戦争孤児で、中国人の教師に養われて成長した青年のたどる苦難の旅路を文化大革命下の中国を舞台に描く大河小説
経済摩擦、エネルギー、地価高騰など、難問を抱える日本経済が二十一世紀も繁栄を続けるにはこの実現可能な「新都」建設しかない
野菜のルーツはどこに? 日頃なれ親しんでいる野菜の原産地をさがし、伝播のルートや世界各地の料理法をたずね歩いた異色の紀行
“明白なる運命”の下、フロンティアを求めつづけてきた米国。さまざまなケースを通して多民族国家アメリカの愛国心神話を検証する
人生の最晩年を迎え、老醜をさらす両親へそそがれる息子の複雑なまなざしを通して、誰にも訪れる“老い”と“死”を描く力作長篇
書物の中のマフィアとは常に身近だった著者が彼らの故郷を初めて訪ねた。通好みのマフィアこぼれ話が続々。一味違うシチリア紀行
慶応四年、榎本武揚、土方歳三らにひきいられた旧幕艦隊は宮古湾に停泊する新政府艦隊に奇襲を試みたが……。歴史秘話を描く長篇
大企業による土地買収の手口、汚職を生む銀行と不動産業者の癒着、現行土地税制の歪み等、気鋭のライター四人が解く地価高騰の実態
新幹線通勤で単身赴任を脱却できた話、消費税後の一円玉事情、毎朝二十八階まで歩いて上る重役の話など、愉快で役に立つ話を満載
独特の味わい深く精緻なイラストで幅広いファンを持つ著者が描いた週刊文春連載「零戦燃ゆ」の挿画から約二百点を選んだ傑作画集
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