作品
名もない市井の人々の、日々の歓喜と悲哀を、キメ細やかに曇りない眼でとらえた明澄な人生絵図三十六篇。うち七篇は単行本未収録
北国の小藩・海坂、清流と小立に囲まれた組屋敷、一人の少年藩士が成長する姿を描く「蝉しぐれ」と、朋友相喰む熾烈な覇権劇「風の果て」
闇とほのかな光の中で語られる、愛憎と葛藤、独自の色彩でえがかれた人生絵図。「冬の潮」「暁のひかり」など初期市井小説三十篇
国を出奔し食いつめた青江又八郎は口入れ屋の周旋で用心棒稼業をはじめる。趣向ゆたかな剣客物語の名品、一部二部を一巻集成する
初期士道小説名品の数々を網羅。直木賞受賞作「暗殺の年輪」をはじめ、この作家独自の藤沢調ともいうべき色彩は、ここにはじまる
人物描出の巧み。清洌・多彩な筆に加えた一刷けのユーモア。剣客小説の金字塔というべき「隠し剣」に、「たそがれ清兵衛」を併録する
小説づくりの名工の手になる、ゆるがざる小説世界。これこそ人生通の大人の物語。愛惜さそう忘れがたい情趣のすべてがここにある
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