終戦間際の1945年、昭和20年の春――。薩摩半島南部にある知覧や大隅半島の鹿屋、串良の飛行場から、数千人の二十歳前後の若者たちが、爆弾を抱えた飛行機とともに沖縄を目指して飛び立った。自らのいのちと引き換えに、敵機に特攻するために……。
しかしながら、6人の特攻隊員が、鹿児島と沖縄のあいだに浮かんだ黒島という小さな島に辿り着いている。黒島の人たちは、けんめいに介抱した。それによって、いのちを救われた兵士たちもいた。そんな元特攻隊員と、黒島の人たちとの交流は、70年が過ぎた現在でも続いている。
老いとともに途絶えていくきずな。風化される記憶。それでも、あの戦争を語り継ごうとする人たちがいる! 「あの戦争から遠く離れて」の大宅賞作家が、自らのライフワークに取り組んだノンフィクション作品。
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