今、アメリカ、中国、韓国など世界各国で関心を集めている幼児教育法がレッジョ・エミリア・アプローチ。ニューズウィーク誌(1911年12月刊)で「世界で最も先進的な初期教育のための学校」として紹介されたのが、北イタリアのレッジョ・エミリアにある「ディアーナ幼児学校」だったことから、世界中にその名が知られるようになった。
第二次世界大戦後、若き天才教育者ロリス・マラグッツィが仲間の教師グループと共にレッジョ・エミリアで始めた幼児教育法である。
子供たちのあらゆる気づきや興味を決して否定せず、話し合いをしながら時間をかけて一つの完成形にもってゆく。大人は指示をするのではなく、あくまでもそれを見守り、助ける役割につき、子供たちの様子を観察し、詳細な記録に残す。そうして育った子供たちは、自分の頭で考え、行動し、仲間と協力しながら一つのプロジェクトを完成に導くことができるようになる。いわゆる「指示待ち」人間ではなく、自分で革新的なイノベーションを起こせる人材を育てる教育法なのだ。
同調圧力の強い日本社会において最も導入しにくい、だからこそ必要な、未来を切り拓く教育法とも言える。日本におけるレッジョ・アプローチの第一人者であるアレッサンドラ・ミラーニ氏が、実際に日本のプレスクールで実践した記録にもとづいた入門書。
はじめに なぜ、私は「レッジョ・アプローチ」を選んだのか
序章 レッジョ・エミリアの教育法
子供にも、おとなにも、やさしい場所
協力して、一緒にやることの大切さ
第一章 子供たちの中にある「百通りの言葉」
子供たちを「挑発する」ということ
第二章 レッジョ・エミリア・アプローチ
何が違うのか
幼児学校での、一日の時間の使われ方
プロフェッショナルを揃えたスタッフ
空間、外観と、それに対する配慮
第三章 子供に自信を持たせる「環境」がある
家庭から園へ、最初の移行期間の過ご
し方
教師とは「プロフェッショナルな賛美
者」
第四章「共感する力」を育て、社会に参加できる子供に
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