作品紹介

世界で3兆円に迫る売上高を誇る巨大企業、サントリーは、同時に日本最大の非上場企業、ファミリー企業でもある。2014年、米ビーム社を買収し、文字通りグローバル企業となったサントリーにとって、経営の世襲はプラスか、マイナスか。2001年からグループを率いる総帥、佐治信忠はマスコミにほとんど登場しないことから、日本一ミステリアスな経営者と呼ばれてきた。その佐治が、今回初めて、その信念とプライベートのすべてを語った。
佐治の言葉は明快だ。
・社長は運の強い人間であることが必要。
・大きな夢を掲げないと、社員だってついてこない。
・自分だけが得をすればよいという考えの人がオーナーや社長であったら困る。
・(トップは)苦しいな、しんどいなと思った時も明るく努めないといけない。
現社長の新浪剛史、次期社長最有力候補の鳥井信宏、2人のロングインタビューも所収。

担当編集者より
サントリーといえば言わずと知れたジャパニーズ・ウイスキーの雄だが、その歴史でビールがいかに重要な役割を果たしてきたかを本書で知った。創業者、鳥井信治郎がいったんは参入したビール市場だが、うまく行かず撤退。その夢を息子の佐治敬三が継ぎ、純生などのヒット商品を生み出すが、シェア10%、黒字化という目標には達することがなかった。そして、敬三の息子、信忠がプレミアム・モルツで宿願のシェア10%と黒字化を果たし、ついに3代の夢が叶う。そして信忠は、将来の社長候補である鳥井信宏に、「ビール会社は4社あるのだから、シェア25%を目指せ」と発破をかける。上場している普通の会社なら、50年以上も赤字の事業を続けることなどありえないだろう。株主が怒って経営陣の首を切るに違いない。それを我慢し続け、ついに果実を手にした事実は、ファミリー企業の可能性を示しているのだろう。本作は企業ものでありながら、大河ドラマでもある。そのロマンにも酔ってほしい。
目次
プロローグ
消えたサントリー総帥を追え

第一章 日本一、運の良い会社                      
いるはずの男がいない/「空白の期間」の真相/私は「運が強い」/取材後に届いた一通のメール/鳥井信治郎と信心/サントリーという宗教

第二章 偉大な父の背中                             
役員会で親子喧嘩/「半世紀越し」の黒字化/緩む社員たちへの「警告」/晩年に「父」と話したこと/社長は、明るくないとダメ/寡占に挑む「弱者の戦略」/悲願の「黒字化」の裏側

第三章 卒業論文に記した夢                        
卒業論文に記した夢/アメリカにあこがれた佐治少年/手探りで始めたМ&A/経営難で事業を整理/「キリン統合」破談の裏側/統合よりも「プライド」/ピースはまったビーム買収/卒業論文が、現実に

第四章 商人と学者の血                             
涙の結婚式/「継げ」とは言われなかった/知られざる「佐治姓」の謎/実母・好子への思い/新浪が語る、「佐治信忠」/「創業家神話」の功罪

第五章 新浪社長誕生の裏側                     
「新浪」をめぐる、二つの人事/本気だから、じっくり口説く/「新浪社長」誕生の舞台裏/「新浪君は、運が強い」/ビームが、乗っ取られる/ビームは誰のものか/役員人事をめぐる攻防

第六章 非上場企業の光と影                     
消えた「上場話」の真相/上場に「向かない」会社/上場は「できればしたくない」/知られざる「寿不動産」の実態/寿不動産の将来は「今」考えるべき

第七章 サントリーを継ぐ男                      
覚悟がにじむ、全社メール/できることは「何でもやる」/我が一族に「帝王学」なし/創業精神の根底にある「陰徳」/私の使命は、この二つ/いつか、やってみたいこと

第八章 佐治信忠の経営論                         
社員が、忘れられない光景/「苦しさ」から逃げてはいけない/創業家経営の「強みと弱点」/本当のファミリー・カンパニー/日本人よ、夢を持とう


あとがき      

著者

泉 秀一

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