本格ミステリ×捕物帖!
本所一帯を縄張りに、十手を預かる若い岡っ引きの佐吉。
「相生町の親分」と呼ばれた亡き父の人徳で、周囲の人々に顔を立ててもらってはいるが、いまだ自分の生業に自信が持てずにいる。
ある朝、大川で若い女の死体があがった。裸に剥かれ、真新しいあざと傷だらけ。顔は腫れあがり髪まで剃られているという惨たらしい有様だった。
佐吉はさっそく女の身元を調べ始めるが、いくら聞きまわっても杳として知れない。
下手人は誰か。それ以前に、殺された女はいったい誰なのか?
町医者の秋高とタッグを組み、突き止めた事件の真相とは――
新婚早々に殺された妻と消えた夫。
死体のそばに二十四文銭を残す辻斬り。
寿命が尽きる寸前に殺された男……
男たちの意地。女たちの覚悟。執念と因縁が渦を巻く。
江戸を舞台に仕掛ける大胆不敵なトリック。
著者渾身の時代物本格ミステリ連作集。
目次
まぼろしの女
三つの早桶
消えた花婿
夜、歩く
弔いを終えて
連作短編集『まぼろしの女 蛇目の佐吉捕り物帖』 で捕物帖×本格ミステリの華麗なる融合を実現した織守きょうやさん。初めて時代小説に挑戦した理由は? 欧米の名作ミステリをもじったタイトルはどうやって決めた? 制作秘話を語ります!
※登場する古典ミステリ※
ウイリアム・アイリッシュ『幻の女』
J・D・カー『三つの棺』
コナン・ドイル「花婿失踪事件」
J・D・カー『夜歩く』
アガサ・クリスティ『葬儀を終えて』
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