学力の桜蔭、自由の女子学院、お嬢様の雙葉……その秘密に迫る!
女子御三家に数百人の合格者を送り込んできた中学受験塾講師による各校の徹底分析。
桜蔭、女子学院(JG)、雙葉の三校は、女子中・高の最高峰としてあまりにも有名だが、メディアに内情が公開されたことはほとんどない。
今回、著者はOGなど数十人に聞き取り取材を重ねたほか、三校の校長にもインタビュー。女子御三家の校長が全員インタビューに応じたのは初めてのことだ。
特色ある教育内容や各校の強さの秘密、歴史と伝統、学校行事やクラブ活動、そして生徒たちの日常生活から、彼女たちが体験したいじめや逆境まで、生の声も赤裸々に明かされる。
女子御三家の特徴については、こんな喩え話が昔からある。
道に空き缶が落ちている時、桜蔭生は本や参考書を読むのに夢中で気付かない、JG生は友達みなで缶蹴りを始める、雙葉生はきちんと拾ってゴミ箱に捨てる……。
だが著者は、新たに以下のような喩え話を提唱する。
・桜蔭……すぐさま缶を拾って捨てに行く(捨てに行く途中で原材料や成分をチェック)。
・JG……考えごとにふけっていて、缶に気づかない。
・雙葉……誰が捨てに行くのかを決めるジャンケン大会を始める(ただし他人が見ていたら、その人に見せつけるようにそそくさと捨てに行く)。
……その理由は本書をお読みいただければわかるはず。
子供の受験を考えている親や教育関係者だけでなく、男女共同参画について頭を悩ませているサラリーマンや経営者にもぜひ手にとってほしい作品だ。
はじめに
女子御三家と呼ばれる三校/有名な「空き缶の話」はウソ?/女子御三家が秘密のベールを脱ぐ
序章 女子御三家とはなにか
女子御三家の人たち/半径二キロ圏内に集中/大学受験指導に特化しない/各校を比喩で表現するなら/桜蔭は「多種多様」/JGは「自由」/雙葉は「配慮」/女子御三家の長所と短所
第1章 桜蔭 圧倒的な東大合格率の秘密
桜蔭坂を上る/厳かな本館で「礼法」の手ほどきを/「学べや学べ、やよ学べ」/社会の一線で活躍する/卒業生キャリア教育/「桜蔭は日本一の学校なんだ」/同調圧力など無縁の学校生活/桜蔭生は「塾漬け」になるのか?/桜蔭は劣等生が生まれやすいのか?/ハイレベルな授業/国語の入試問題をつくれるレベルに/よく考え、よく書く/「Ⅱ」のつく部活は体育会系/「水泳」ではなく「プール」に力を入れる/勉強もできてかわいくて/文化祭に彼氏は来る?/桜蔭の制服はダサイ?/自由の入り込む余地がない修学旅行/予定がびっしりのスケジュール/「桜蔭入学」=「東大、医者への道」なのか?/親が娘をストーカー?/何でも一生懸命な子に
第2章 女子学院 日本一自由な女子校
チャイムにこめられた思い/JGはマイナーメジャー/自由を体現するJG/制服なし、化粧をする生徒も/他人は他人、自分は自分/パイオニアが誕生する教育/はっきりモノを言う/勉強だけ頑張っているのは格好悪い/要領の良さが裏目に出る/問題解決能力を培う班活動/JG生は先輩に恋をする?/男性教員いじめ/体育会気質の上下関係/マグノリア祭は文化系班の見せどころ/顧問の先生を論破する/燃えに燃える学年対抗の体育祭/とにかく考え悩ませる授業/生徒を子供扱いしない/親の過干渉がJGの良さを消す/バラエティ豊かな進路/これからの社会で女性が活躍するには/心の内に「舵」を持つ
第3章 雙葉 お嬢様の別の顔
憧れのセーラー服/元祖は横浜雙葉/幼稚園からの一貫教育/成金ではない名家の子女/恩師との出会い/修道女の減少/小学校の厳格な教育/学力が二極分化する「内部」/「内部」と「外部」は衝突するのか?/内部の子にさからったらイジメが/特徴はフランス語授業/彼氏がいるのは一割未満?/教師をいじめて辞めさせた/後輩への説教タイム/先輩への御礼状/掃除で献身的な姿勢を身に付ける/百合は百合らしく、バラはバラらしく/過剰な父親たち/「子供は神様からの預かり物」/雙葉の考える女性活躍/雙葉の学び舎で培った社会性
終章 女子御三家は変わらない
強烈な個性を放つ女子御三家/女子御三家の力とは/始祖の思いは脈々と受け継がれる/変わらぬことの強さ
あとがき
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